反対派に目もくれない女帝に対し、蓮舫参院議員(56)は「一度決まった再開発でも、首長の判断があれば立ち止まることはできる」「当然、争点です」と気合十分。ただ「蓮舫都知事」の誕生なら、ホゾを噛む男がいるようで……。
12日の衆院外務委員会。再開発問題について「人権に悪影響を及ぼす可能性がある」との懸念を表明していた国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の報告書(5月28日公表)をめぐり、政府が神宮外苑に関する文言の削除を要請していた問題を立憲民主党の鈴木庸介議員が取り上げた。
鈴木議員は「都が神宮外苑開発の決定に至った経緯を時系列で記録しているページの一部」を紹介。「先日、東京都知事選挙で現職知事の支援を表明されている自民党の萩生田議員が森元総理大臣と交わしたとされる会話が記録されています」と指摘した。
萩生田光一氏(60)といえば、自民党の都連会長として小池支援を10日に表明。政党に準じた選挙活動ができる「確認団体」を立ち上げて支援する“苦肉の策”で女帝に抱きついた男の名が、なぜ国会で取り沙汰されたのか。
鈴木議員が触れたのは都の内部文書だ。石原都政時代の2012年2月28日、当時は落選して浪人中だった萩生田氏と都の都市整備局幹部が国立競技場の建て替えについて話し合った記録である。
森喜朗元首相の“手先”
それによれば、萩生田氏は旧競技場を所管する文科省とNAASH(現JSC=日本スポーツ振興センター)、都を引き合いに出し、「森元首相から『競技場施設そのものは国。しかし都が一生懸命汗をかいてくれないと困る。君が、文科省、NAASH、都を横断的に調整してくれ』と言われている」と発言。「いまの機会しかここの整備はできない」とハッパをかけた。
果たして、再開発は進んでいった。翌13年に都は外苑地区の建物の高さ制限を15メートルから最大80メートルにまで緩和。15年には都とJSCなどの関係権利者が「神宮外苑地区まちづくりに係る基本覚書」を締結した。
森元首相の手先として再開発に暗躍した萩生田氏にすれば、見直しも辞さない蓮舫氏が都知事になっては困る。「小池さんに抱きついたのも、親分である森元首相ひいては自分の『手柄』を何としても潰されたくないとの魂胆があるからではないか」(都政関係者)との見方もうなずける。
“抱きつき男”は固唾をのんでいるに違いない。