「県民に不信やおぞけ」 代表質問で知事告発文書問題を追及 公明は問題触れず 兵庫県議会 斎藤元彦兵庫県知事の告発文書問題(2024年6月7日『産経新聞』)

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兵庫県議会で文書問題について答弁する斎藤元彦知事=7日午後、県公館(神戸市中央区
兵庫県議会6月定例会本会議が7日開かれ、各会派の代表質問が行われた。4会派のうち3会派が、県の西播磨県民局長だった男性(60)が斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを告発する文書を作成した問題に関して質問。斎藤氏は謝罪を繰り返し、風通しの良い職場づくりに向けて「私自身が職員とさらに意識的にコミュニケーションを図りたい」などと述べた。
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【時系列でみる】元兵庫県幹部による文書問題の経過
6月定例会中に、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)設置の議案を提出するとしている「ひょうご県民連合」の北上哲仁(あきひと)氏は、約40分間にわたり斎藤氏のパワハラ疑惑や企業からの物品供与などについて質問。人事当局が行った内部調査については、知事と相談していたとして片山安孝副知事に答弁を求める場面もあった。
北上氏は斎藤氏の記者会見の対応に触れ、「『公務員失格』『事実無根』『嘘八百』『告訴』などの発言は不穏当であり、県民や職員に不信やおぞけを与えている要因の一つ」と指摘。発言の撤回などを求めると、斎藤氏は「(会見での発言は)表現がいきすぎた点があり反省している」と釈明した。
同じく百条委設置の議案を提出する方針を決めた自民は岡毅氏が、「わが会派としても百条委による事態究明の必要があると考えている」と改めて表明。設置の決まった第三者機関による再調査に期待することを問うと、斎藤氏は「事務を代表監査委員に委任することで、より中立、公平性が確保される。調査結果を示すことなどを通じ、私自身も説明責任を果たし、県政への信頼がより高まることを期待する」と答弁した。
百条委は設置せず、第三者機関を優先すべきだとする維新は白井孝明氏が、これまでの斎藤氏の県政運営を「若い力で聖域なき改革を実現した」などと評価。文書問題の本質は「県庁内の融和が十分に図られなかったことにあると理解する」と述べた。
公明は文書問題には触れず、麻田寿美氏が労働者のカスタマーハラスメント防止対策や教員の働き方改革などについて質問した。