東京五輪を経て、昨年11月に新装オープンした馬事公苑。馬術競技場としてだけではなく「馬のいる緑ゆたかな都市公園」として訪れた人たちを楽しませている=東京都世田谷区で、本社ヘリ「あさづる」から(河口貞史撮影)
東京五輪を経て、昨年11月に新装オープンした馬事公苑。馬術競技場としてだけではなく「馬のいる緑ゆたかな都市公園」として訪れた人たちを楽しませている=東京都世田谷区で、本社ヘリ「あさづる」から(河口貞史撮影)
住宅街に、東京ドーム4個分という広大な敷地が広がる。正門を入ると、親子の馬像が出迎え、練習中の馬の姿も見えた。「馬優先」の案内標識も。昨年11月にリニューアルオープンした世田谷区の日本中央競馬会(JRA)馬事公苑は、馬を身近に感じられる憩いの場だ。
1940(昭和15)年9月に開苑。戦時中に「修練場」と名前を変えた。戦後の54年にJRAが発足、馬事公苑の名称が復活した。64年と2021年の2度、東京五輪の馬術競技の会場に。五輪に向けた整備やその後の改修のため、16年末から休苑していた。
今年8月、8年ぶりに馬事公苑で催す「せたがやふるさと区民まつり」の企画委員長、朝生公章さん(68)も再開を待ち望んだ一人。「広くて、芝生があって景色もいい。戻って来られてうれしいね」。1978年の第1回からここで開催する。
馬術競技を眺められるレストランが新設され、馬事文化の歴史に触れられるコーナーが充実した。休日には家族連れも目立つ。馬事普及の拠点として、地域の公園として、親しみやすさが増した。(奥野斐)