天皇陛下 5月1日 即位から5年 新たな形で人々とつながり築く(2024年4月30日『NHKニュース』)

 皇室

 

天皇陛下が即位されてから、5月1日で5年です。天皇陛下は、コロナ禍の中でオンラインを活用し新たな形で人々とのつながりを築くなど、象徴としての務めにどのように取り組むか模索しながら歩まれてきました。

5年前の平成31年4月30日に皇居・宮殿で上皇さまの退位の儀式が行われ、日付が変わると同時に天皇陛下が即位されて、元号が平成から令和にかわりました。

天皇陛下は、皇后さまとともに、上皇ご夫妻から受け継いだ毎年恒例の行事で各地を訪問するなどして国民とのふれあいを重ねるとともに、令和元年の末には台風などによる豪雨で大きな被害を受けた宮城県福島県を、ことし3月と4月には能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県を訪問し、被災した人たちを見舞われました。

天皇陛下は、即位後初めての記者会見で、「多くの人々と触れ合い、直接話を聞く機会を大切にしていきたい」と述べられました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大という思いもよらない事態が起き、恒例行事への出席に伴う地方訪問が3年近くできなくなるなど、人々と直接ふれあう機会が失われ、皇室の活動は縮小を余儀なくされました。

こうした中、天皇陛下は皇后さまとともに直接訪ねることがかなわない場所への「オンライン訪問」を重ね、人々とのつながりを築かれました。

おととし9月には即位後初めての外国訪問としてエリザベス女王国葬に参列するためイギリスを、去年6月にはインドネシアを公式訪問するなど、国際親善にも尽くされています。

行動制限の緩和が進み、飲食を伴う公式行事が感染防止策をとりながら徐々に再開される中、伝統的に西洋料理のコースが提供される外国からの賓客との昼食会では、日本の文化を知ってもらいたいという両陛下の発案で、去年の秋から和食の前菜などが出されるようになりました。

また、宮内庁に広報室が新設され、4月からSNSを活用した情報発信に乗り出すなど、皇室に関する正確な情報を積極的に発信していくための新たな取り組みも始まっています。

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