小池百合子知事の「答弁拒否」巡り都議会で激論 「耳障りな質問は排除か」立民発言の撤回求める動議可決(2024年3月27日『東京新聞』)

 
 質問者から指名を受けた知事が答弁に立たないのは「答弁拒否」か-。26日の予算特別委では、小池百合子知事の議会答弁に対する立憲民主の主張を巡り、各会派が激論を交わす事態となった。
東京都の小池百合子知事=2023年12月26日、都庁で

東京都の小池百合子知事=2023年12月26日、都庁で

 立民の関口健太郎議員は13日の予算特別委で、小池知事に答弁を求めた質問に幹部が答える「答弁拒否」が頻発していると主張。「知事に耳障りなことを言う議員の質問は排除するのか」とただした。
 都民ファーストの会、自民、公明は「不穏当な発言」と問題視し、26日の予算特別委で、発言者に対して発言取り消しを求める動議を提出した。
 都民ファの菅原直志議員は趣旨説明で「質問者に答弁者を決定する権限はない」と批判。立民側は「議事録を恣意的(しいてき)に削除するのは民主主義の破壊だ」と反論した。
 3会派は共産の福手裕子議員の発言についても「虚偽」として取り消しを求める動議を提出。共産側は「議員の発言権、質問権の侵害そのものだ」と反論した。
動議の採決で、起立して賛成する都民ファーストの会、自民、公明の議員(奥)=都議会で

動議の採決で、起立して賛成する都民ファーストの会、自民、公明の議員(奥)=都議会で

 動議はいずれも賛成多数で可決された。立民、共産などは同日夕に会見を開いて抗議の意を表した。都議会局によると、動議に法的拘束力はない。(三宅千智)

◆一般会計当初 予算案を可決

 都議会予算特別委員会は26日、過去最大となる8兆4530億円の一般会計当初予算案を賛成多数で可決した。28日の都議会本会議で成立する見通し。都民ファーストの会、自民、公明が賛成し、立憲民主、共産、ミライ会議が反対した。立民が反対に回るのは2007年以来。7月に都知事選を控える中、小池都政に対する各会派の距離感の差が浮かんだ。
 討論で、最大会派の自民は「都民から喜ばれている018サポートの継続や、高校の授業料実質無償化などの取り組みは評価できる」と強調。一方、立民は「障害者や非正規労働者、マイノリティーや弱い立場の人たちが置き去りになっている」と指摘した。
東京都議会

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 共産はプロジェクションマッピング費用の削減などを盛り込んだ予算案の編成替えを、ミライ会議は中学校英語スピーキングテスト費用を削減する修正案を出し、それぞれ反対多数で否決された。(三宅千智)