自衛隊員の集団参拝問題で宗教者の団体が抗議 「制服着用と公用車伴う参拝は政教分離に反する」(2024年2月14日『東京新聞』)

 陸上自衛隊の幹部らの靖国神社(東京都千代田区)や宮古神社(沖縄県宮古島市)への参拝に抗議しようと「平和をつくり出す宗教者ネット」などは14日、都内で集会を開き「制服着用と公用車の使用を伴う参拝は、政教分離を原則とする憲法に違反する」などとする声明を発表した。
集会であいさつする石川勇吉さん(右から4人目)

集会であいさつする石川勇吉さん(右から4人目)

 陸自では1月9日に小林弘樹陸上幕僚副長(陸将)ら数十人が靖国神社を、翌10日に宮古島駐屯地の宮古警備隊長ら約20人が宮古神社を参拝した。1974年の事務次官通達では「神祠(しんし)、仏堂、その他宗教上の礼拝所に対して部隊参拝すること」などを「厳に慎むべきである」としている。
 声明では、陸自幹部らの参拝は通達に抵触し、自衛隊文民統制の原理を壊すと指摘。木原稔防衛相に「事実関係を調査し、責任の所在を国会で明らかにすること」などを求めた。
 同ネットによると、声明には反戦グループなど計60団体と243人が賛同した。世話人の石川勇吉さん(75)は「木原防衛相は『通達は古い』として必要に応じて改正すべきだと述べている。通達が変えられてしまうのでは」と懸念した。(梅野光春)