「旦那デスノート」「夫の歯ブラシで掃除」「元夫に戒名をつける」…離婚カウンセラーが提案する「驚愕のストレス解消法」(2025年1月11日『現代ビジネス』)

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コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。
本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。
身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。
『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第54回
『「夫婦ゲンカ」が起こっても自分は悪くない!…解決の妨げになる「謝ったら死ぬ病」が蔓延するワケ』より続く
ケンカを避けるために
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真面目な人、不器用な人ほど、いざケンカになると白黒をはっきりさせたがる、とすでに書きました。相手の言っていることを「この人の言い分は間違っている」とか「これはモラハラだ」と、ネガティブに解釈しがちです。
そうではなく、「この人は自分の気持ちを私にわかってもらいたくて怒っているんだ、本当は私のことを愛しているから感情的になるんだ」とふっと深呼吸をするくらいに感じることができれば、たとえケンカになっても心に余裕を持つことができます。
「したたかな人」ほど、このように頭の中で物事をいいほうに解釈するものです。
たとえケンカになっても、「この人は私のことを愛しているから怒るんだ」と脳内変換できていたりします。
ケンカを避けるためには、そもそもストレスを溜めないことが大事です。
では、どうすればストレスを溜めずにいられるのでしょうか。私は常々次の三つのコツを推奨しています。
ストレスを溜めないコツ
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一つ目のコツは、「本人に直接言う」こと。
気になることを胸の内に溜め込まず、本人に直接言うようにすれば、ストレスを溜めずに済みます。ただ、本人を怒らせてしまう可能性もあるので、言い方やタイミングには注意しましょう。
とくに、できるだけ小出しにして、都度都度言うことが大事です。たくさんの不満を一度にぶつけると、相手も受け入れにくく、ケンカになる可能性が高くなります。
二つ目は「他人に共感してもらう」こと。
何か不満がある際、友達に話して共感してもらうと、だいぶんスッキリします。ただ、不満をパートナーと共通の友達・知人に言わないよう気をつけてください。話したことがパートナーに伝わると陰口のように受け止められて関係が悪化してしまいます。
また、あなたとパートナーとの関係自体を相性が悪い、別れたほうがいい、と決めつけている人に、パートナーの悪口を言うのはやめましょう。不満に共感はしてくれるでしょうが、その人はおそらく夫婦関係を壊す方向でアドバイスをしてきます。
それと、自分の実家の家族に不満を話す場合、あまりオーバーに言ってしまうと、大事な息子・娘を不幸にしている伴侶とイメージづけされて、離婚をしきりに勧められたり、帰省のときにギクシャクすることもあるので注意しましょう。
スッキリする「衝撃」の方法
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三つ目は「自分で完結する」です。
パートナーに文句を言ったり、友達に愚痴ったりせず、別の何かでストレスを発散するという方法もあります。友達とランチに行ったり、お酒を飲んだりするのもいいでしょうし、買い物をしてストレスを解消するのもおすすめです。
あと、これはあまりおすすめはしませんが、パートナーにバレないように、仕返しをする、というワザもあります。
「旦那デスノート」という会員制SNSがあります。「旦那は死ね」といった激しい言葉が投稿されているのですが、投稿者は実際には本当に殺意を抱いているわけではなく、ストレス解消の手段としてやっているわけです。あまりに過激な投稿もあるので問題視されてはいますが。
白状しますが、私の場合、元夫が大事にしていたスーツケースを踏みつけたり、わざとまずいご飯をつくったりしたことがあります。
あと、元夫に「戒名」、つまり亡くなった後の名前をつけて、仏壇の前で手を合わせたりもしました。変な話ですが、こんなことでも結構スッキリするものです。
聞いた話では、夫の歯ブラシで掃除をしたり、夫が愛人からもらったセーターに、着ているうちに破れるようにほんの少しだけ切り込みを入れた、という人もいます。
よくない振る舞いかもしれませんが、溜め込んでいる不満を爆発させて本人と大ゲンカして一気に関係が破綻するよりは、こういうちょっとした「仕返し」で気を紛らわすことも、場合によってはありかもしれません。
『どんなに辛くてもパートナーから逃げないで!…冷え切った夫婦関係をじっくり温めなおす「にこみの法則」とは』へ続く
岡野 あつこ(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー)