“防カメ解析”で特定…見えてきた容疑者の動き 中学生殺傷“殺人未遂”で男逮捕
福岡県警捜査1課・橋本浩輔課長 「(Q.まず認否は?)認めています。『確かにその行為をしました』という供述をしています」 「(Q.動機は?)詳細な供述は得ておりません」
事件当日、14日午後8時10分ごろ。中学生2人が店に到着するのと、ほぼ同時に、平原容疑者は、車で駐車場にやってきました。午後8時25分ごろ、事件が起きます。この15分ほどの間に容疑者が何をしていたかはわかっていません。
下村アナウンサー 「平原容疑者は、入店からわずか十数秒で2人を刺したとみられます。その後、店を出て、駐車場に直行したそうです。車に同乗者はいなかったということで、単独での犯行とみられています」
容疑者の自宅は、ファストフード店から直線距離にして約900メートル、車で5分ほどの場所にあります。
19日午前10時ごろ、警察の呼びかけに応じなかったため、捜査一課の特殊事件捜査係がガラスを割って、自宅に入りました。そのとき、平原容疑者は、リビングの椅子に腰かけたまま、抵抗する様子も見せなかったといいます。
下村アナウンサー 「警察は、自宅から刃物を押収しました。ただ、その刃物が事件で凶器として使われたものかどうかは、まだわかっていません」
平原容疑者は、1人暮らしでした。
この家では、騒音トラブルも報告されていました。
近隣住民 「マイクみたいな拡声器で怒鳴ったり、『この野郎』みたいな汚い言葉で怒鳴ったり、子どもも怖がる。爆竹を鳴らしたり、変な行動が目について近所でも相談した」
近隣住民
「(容疑者は)カラオケ歌う」
「(Q.ほぼ毎日?)そうです」
「(Q.事件後はなかった?)全然 「(Q.基本はずっとサンダル?)うん、サンダル」
周辺の住人によりますと、今年初めごろからトラブルが目立つようになったそうです。警察には、5月と10月に通報が寄せられていました。
近隣住民 「『何かあったときは警察に連絡して呼んで下さい』と言われているが、呼んでも到着する前に終わる」 「(Q.呼んだことある?)何回かあると思います。ご近所の人、怖いというので」
近隣住民 「(Q.うるさいのに注意できなかった?)言えない。優しそうな雰囲気じゃないし」
複数の近所の人に取材したところ、平原容疑者は、もともとこの家で、母親や妹と一緒に暮らしていたといいます。それがいつの間にか、1人暮らしに。
事件のあと、自宅に引きこもるようになったのか。近くの飲食店には、出前の注文が相次いでいました。
出前を配達した飲食店の従業員
「(注文は)月・火・水の3日間」
「(Q.何を注文?)丼ものとざるそば」
「(Q.いままでも配達があった?)いや、初めてだった」
「(Q.会話は?)うなずくだけだった」
警察は、自宅にあった黒色のワンボックスカーが犯行に使われたとみています。現場の防犯カメラにも、この車が映っていたということです。
福岡県警捜査1課・橋本浩輔課長 「(逮捕の)決め手は、やっぱり防犯カメラ。延べにして百数十、この5日間で押さえて精査した。犯人に結び付いた捜査は主たる捜査は、防犯カメラ」
防犯カメラで100台以上、ドライブレコーダーも、数十台分を調べたといいます。
店内の防犯カメラは、犯人の服装や黄色いサンダルを捉えていました。犯行後に、立ち寄った先の防犯カメラにも、特徴の一致する人物が映っていたため、平原容疑者が特定されたということです。
警察は、亡くなった中島咲彩さんに対する殺人容疑についても調べています。
福岡県警捜査1課・橋本浩輔課長 「まだ15歳ですから。15歳の将来ある中学生を殺傷に巻き込んだというのも許し難い、卑劣極まりない犯行。私以下の捜査員は、この5日間、不眠不休で、『必ず捕まえる』と意気込みを持って、きょうまで取り組んで参りました」 「(Q.中島さん殺害も?)間違いなく、関与しているとみている」
警察によりますと、2人は、事件が起きる前も、どこかで一緒に勉強していたといいます。そして中島さんは、学習塾へ。塾が終わると、2人は待ち合わせをして、ファストフード店へと向かったそうです。
致命傷になりかねない深い傷を負わされた男子中学生は「容疑者とは面識がない」と話しています。