兵庫県元局長の公用PCデータ漏洩?賛否真っ二つの“立花砲”が暴いた「マスコミの不都合な事実」(2024年12月7日『ダイヤモンド・オンライン』)

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NHKから国民を守る党の立花孝志氏 Photo:JIJI
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● マスコミ報道を偏向させる “フィクサー”の正体
 「立花砲」の追撃が止まらない。
 兵庫県知事選挙前には、非公開で開催した百条委員会の音声を街頭演説やYouTubeで「暴露」したことで、斎藤元彦氏の大逆転劇を演出した「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が、今度は亡くなった県の幹部職員が告発文書を作成したとされる「公用パソコン」の中身を自身のSNSYouTubeで公開したのである。
 動画に流されたのは、パソコン内の複数のフォルダ。それぞれ女性の名前や、「小説関係」「○○写真館」(○○は女性の名前と思われるもの)といったものが並んでいる。さらに、「クーデター顛末記」とタイトルの付いた文書ファイルも含まれている。
 「この人はなんでそうやって、死者に鞭打つようなことをするのかね」と不快に感じる人もいるかもしれないが、実はこれは「公益」に関わる重要な情報だ。
 これらのファイルが本物ならば、立花氏や片山安孝前副知事側らによる「幹部職員の告発は公益通報ではなくクーデター」という主張が、まったく根も歯もない話とは断言できなくなるためだ。
 一方、「クーデター」という表現は、2021年の兵庫県知事選で斎藤氏が当時現職だった井戸敏三氏の後継候補を破って当選し、井戸県政が崩壊したことを指したものではないかと指摘する声もある。
 ほとんどの日本人は他県のことなどあまり興味ないだろうが、実は兵庫県は県政史上最多5期20年にわたって井戸敏三氏が県知事を務めてきた。亡くなった幹部職員もそんな「井戸王国」を支えてきた1人だ。
 当然、ポッと出の「維新知事」などさっさと潰して、自分たちに安定と繁栄をもたらした井戸県政の後継者へと政権奪還したいと考える。そんな「クーデター」を仕掛けるため、斎藤氏にまつわる悪評・噂話を切り貼りしてマスコミに送ったのがあの告発文だった――というのが立花氏や片山安孝前知事側らの主張なのだ。
 「クーデター顛末記」というフォルダはこの説の信憑性を高めている。
 また、マスコミはこの職員が亡くなった責任は「斎藤氏側が犯人探しをしたから」というストーリーを盛んにはやし立てた。しかし、実は当初から「公益通報者」として周囲から担ぎ上げられてしまったおかげで、自身の「公用パソコン」の中にある女性との親密な関係を示す写真や日記までが、公の場に晒されてしまうことに気を病んでいたという指摘があった。女性の名前のついた「○○写真館」フォルダもまさしくそれを裏付けている、とネットやSNSでは評価する声も少なくない。
 ただ、マスコミや立派なジャーナリスト、知識人の中ではそういう見方をする人は少ない。
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 「民主主義の危機」「こんな陰謀論で大衆を煽動するような者を許してはいけない」といった感じで、立花氏に警察の捜査が及んでいるのでは、なんて憶測を飛ばす人もいれば、立花氏や斎藤氏の支援者をナチス・ドイツと重ねて批判しているような人まで登場している。
 では、なぜマスコミが報じない事実を次々と明らかにする「立花砲」の評価はここまで両極端というか、真っ二つに分かれてしまうのか。
 「それだけ劣等民族が多くなったんだよ」なんてどこかの有名ジャーナリストさんのようなことをおっしゃる人も多いだろうが、マスコミの偏向報道についてかれこれ15年以上にわたって追及してきた立場から言わせていただくと、つきつめていけば以下のような「事実」を受け入れることができるか否かという違いだと思っている。
 「中立公正を掲げるマスコミやジャーナリストが語ることにも必ず“意図”がある」
 筆者は2009年に「スピンドクター」(講談社α新書)という本を上梓して、実はマスコミ報道の中には、「情報提供者の意図」を汲んだスピンコントロール(情報操作)が氾濫している、という実態を解説した。その中では自分自身の記者時代の経験などをもとに「役人にとって記者はスピン駒」「報道されるのは氷山の一角」という今回のパワハラ疑惑にも通じる問題を指摘している。
 しかし、この本を出した当時は「スピン」なんて言葉もほとんど知られてないので、一部の同業者から「よく言ってくれた」と賛同してもらったくらいで、一般の方はほとんど無関心だった。しかし、それから月日が流れた今では、一般の方からも「スピンドクター、読みました」という嬉しい言葉をいただくことがある。「偏向報道」や「マスゴミ」という言葉が当たり前になったことで、「なんかマスコミの報道ってヘンじゃない?」と感じる人が増えてきているのである。
 このようにマスコミへ不信感がある人は当然ながら、「立花砲」も受け入れることができる。「ああ、なるほどね、マスコミ報道おかしかったけれど、やっぱりそういう裏事情もあったのか」と自分の頭であれこれ考える。
 しかし、「マスコミやジャーナリストは中立公正」を信じて疑わない人はそれをやらない。というより、できない。
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 彼らはマスコミやジャーナリストは裁判官のように森羅万象を中立公平にジャッジできる人々だと考えている。そこで語られることがいかに偏っていて、いかに一方の視点のみによるものであっても、その不自然さから目を背けて「これぞ客観報道だ」と頑なに信じ込む。だから、「立花砲」やネット・SNSで看過できないような情報が流れてきても、「あれはマスコミじゃない」と見下し、精査をすることなく「デマ」と決めつけてしまう。
 つまり、全体主義を研究したハンナ・アーレントが述べた「人は嫌いな人が話す真実より、好きな人が話す嘘を選ぶ」を地でいく「正義の暴走」にのめり込んでしまうのだ。
 さて、このような話をすると、「マスコミ報道に意図があるっていうけど、それはどんな意図なの?」という疑問が浮かぶかもしれない。
 これはわかりやすく言ってしまうと、「ディープステートの意図」である。
 「ハイ、出た!陰謀論者発見!マスコミを叩くのはやっぱりこういう痛いヤツなんだよ」とこのページを閉じようとする方もいらっしゃるだろうが、ここでいうディープステートとは、フリーメイソンロスチャイルドがどうしたという話ではない。
 今でこそこの言葉を使う人は陰謀論者ということになってしまったが、もともとドナルド・トランプ氏がこのワードを盛んに使い出したときは「国家の内部に潜んでいる国家に従わない官僚」を指した。つまり、官僚主義である。
 政治家は国民による選挙で選ばれるので、政治信条が共感を得られななかったり、政策をミスったりすると容赦無くクビにされる。しかし、官僚・政府職員は政権が転覆したところで職を失うことはない。そうしてキャリアを積んでいくうちに、その辺の政治家が足元に及ばないほどの権力を握るようになる。この「公務員政治家」は裏方なので、その実態はほとんどの国民は知らない。しかも、公務員として立場が保障されていることもあって、政治家以上にやりたい放題ができるのだ。
 この「ディープステート」の構造は日本も変わらない。というよりも、アメリカ以上に酷いことになっている。
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 公務員試験さえクリアをすれば、どんな政治信条をもっていても政府の中枢や、自治体幹部になれてしまう。しかも、日本の公務員は「親方日の丸」という言葉もあるように定年退職まで続ける人も多く、退職後も官庁や自治体の関連団体に天下りをして、ロクに仕事もしないのに公金を貪り、政治的影響力・発言力だけ肥大化させる“フィクサー公務員”が大量生産されるシステムなのだ。
 しかも、日本のディープステートの最大の特徴が、マスコミをパシリとして活用できるということだ。
 日本は、公務員による情報漏洩に対する罰則がアメリカほど厳しくはないし、アメリカのように本当に逮捕されることが少ない。そのため、政府内・役所内で得た内部情報を、クラブ記者たちにカジュアルにリークする公務員が少なくない。
 11月21日の『まさかの斎藤氏再選でテレビは“お通夜”状態…それでもマスコミが「偏向報道」をやめられない“オトナの事情”』の中でも解説をしたが、この公務員の「リーク文化」の弊害で、日本のマスコミは、警察・高級官僚・自治体職員という公務員から「駒」としていいように操られている。
 「記者クラブ」という一般社会と断絶したムラ社会の中で距離が縮まり、「内部情報をリークしてあげるネタ元(官僚)」と「そのリークのおかげで出世できる出入り業者(大手メディアの記者)」という上下関係が固定化される。そういう癒着関係を悪用して、時に“フィクサー公務員”が自身の政敵を引きずり下ろすための「紙爆弾」として、新聞やテレビを利用することがある。
 誤解を恐れずに言えば、日本のマスコミはディープステートの意図を汲んで、ディープステートの利するような情報を流す「ディープステート御用達メディア」なのだ。
 筆者が大手新聞社に中途入社して、某県の県政記者クラブに担当が決まったところ、初出勤を前にいきなり携帯電話に、県職員から「某県議が温泉地で宴会コンパニオンにハレンチ行為をした」というタレコミがあった。前任者に私の番号を聞いて挨拶がてらのリークだった。
 「私、県知事の情報も持ってますよ。いろいろ書いてもらいたいこともあるので、また連絡しますね」
 その言葉の通り、怪文書に掲載されるような内部スキャンダルが山ほど寄せられた。ただ、この「情報漏洩大好きな公務員」には正直、ちょっと引いた。
 これまで週刊誌記者や月刊誌編集者だったので、「ネタ元」は人脈を駆使して、自分たちで開拓をしていたものだ。しかし、クラブ記者は何も動かずとも口を開けていれば、体制に不満のある公務員たちから次々とネタを放り込んでいただける。記者としては、ありがたい一方で、「これはいいように操られる記者も多いだろうなあ」と思ったものだ。
 このような「公務員のリーク情報への依存」という自分たちの仕事にはらむ矛盾を、マスコミは一般国民に明かさない。誰がどう見ても「偏向」しているシステムなのに、その現実を伏せたまま、「我、中立公正なり」と聖人君子のように振る舞っている。
 冷静に考えてみれば、ネットやSNSで一般の人々もさまざまな情報に触れられる今、こんな前近代的かつ、二枚舌的な仕事を続けていて、世間から叩かれないわけがない。
 つまり、近年顕著になってきたマスコミ不信のムードというのは、実はマスコミは「ディープステート御用達メディア」である、という不都合な真実に気づく人がじわじわと増えてきたからなのだ。
 筆者がそう考えるのは、今のマスコミに対する風当たりの強さが、2017年ごろのアメリカの、トランプ氏がはじめて大統領に選出されたときとよく似ているからだ。
 あのときもCNNやニューヨークタイムスというオールドメディアはトランプ氏を「泡沫候補」とか「SNSでデマを操る陰謀論者」として攻撃して、ヒラリー・クリントン氏を露骨に応援していた。筆者も某情報番組にVTR出演して、「トランプに勝機がある」とコメントしたら、同業者から「差別主義者!」「気は確かか」とボロカスに叩かれた。
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 しかし、フタを開ければトランプ氏の勝利。その後もオールドメディアは「もうアメリカはおしまいだ」「第三次世界大戦の危機」とトランプ批判を続けたが、アメリカ経済は上向き、トランプ政権が新たな戦争は始めることはなかった。この政治的意図がゴリ押しされた「偏向報道」によって、アメリカ人のメディア不信はさらに深刻になったのだ。
 よく「アメリカで起きた現象は10年後に日本にやって来る」と言われるが、これからの日本でも似たような現象が起きていくと思っている。
 つまり、マスコミはネットやSNSを「デマ」と蔑み、そこで情報発信する人を「罪人」のように扱っていく。一方で、ネットやSNSはマスコミをディープステート御用達メディアとみなして憎悪を深めて、対立が激化していくのだ。
 このような「分断」を避けるのは実は簡単だ。マスコミが「ネットやSNSも偏っているけれど、我々も偏っている。だから、どっちが正しいじゃなくていろんな情報を得ないとダメだよね」と宣言をすれば解決する。そちらの方が国民のメディアリテラシーも向上する。
 実際、マスコミが憎む「立花砲」も本質的にはマスコミと変わらない。選挙で公開した百条委員会の非公開音声も県議からのリークだと立花氏も明かしている。内部情報を流す側の立場や「狙い」が異なるだけなのだ。
 著書「スピンドクター」の巻末で記した言葉をもって、本稿のまとめとしたい。
 巷に溢れかえる情報。それを流した人間の「狙い」を知ること。それがわかれば、その情報はもっと深く意味のあるものに変わるはずだ――。
 (ノンフィクションライター 窪田順生)

〈疑惑の兵庫県知事選〉1500人超の斎藤支持者のオープンチャットで「立花さんのポスター貼りました!」百条委県議の自宅前の街宣も“参集の呼びかけ”(2024年12月7日『集英社オンライン』)
 
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斎藤氏と折田氏と立花氏
パワハラや公金不正支出の疑惑を発端に失職したものの、出直し知事選で返り咲いた斎藤元彦兵庫県知事。驚異の逆転劇が従来の選挙の常識を揺るがす中、斎藤陣営が大きな武器としたLINEのオープンチャットの記録から、応援の内幕が見えてきた。同時に、「斎藤氏を応援する」と言って出馬したNHK党の立花孝志党首のポスター貼りや街頭演説の動員も、斎藤氏の支持者のチャットで呼びかけられていたことがわかった。
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1500人超の斎藤応援オープンチャットの存在
集英社オンラインは斎藤氏の支持者が連絡を取り合った複数のオープンチャット記録を関係者らから入手した。
このうち最大のグループとみられる「チームさいとう」と名付けられたチャットでは、知事選告示2日前の10月29日に「管理者」が、メンバーが1500人を超えたことを報告している。
11月7日には別の人物が「この1週間で、仲間が作った動画が100本以上となりました‼ 現在、デジタルボランティアが391人います。ハッシュタグも忘れずに #さいとう元知事がんばれ」と書き込んでいる。
このハッシュタグは、公職選挙法に違反するSNSを使った有償の選挙公報を行なったとして刑事告発されたPR会社「merchu」の代表取締役・折田楓氏が、「自分が考案し斎藤氏が喜んでいた」と自慢していたものだ。
一方、10月28日にはメンバーの一人が「デジボラさん、斎藤さん応援動画流してくださいねー 再投稿だけでも大丈夫です」と書いた。その直後、この投稿者を名指しし、「誰かに『指示』を出すようなことは控えてください。デジボラはデジボラで責任者がおります。」と諭した人物がいる。
「S」(仮名)と名乗るこの人物は、11月9日に斎藤氏を批判する意見を書いたとみられる参加者Y氏(仮名)に向け「ここは斎藤元彦の応援のオプチャです。さようなら。」と投稿。その直後チャットには「SがYをこのオープンチャットから退会させました。」との表示が出ている。
このためS氏は参加者を強制退会させられるだけの、管理者と同等の権限を持っていたとみられる。
S氏とは何者か。フリーランス記者が話す。
「同一人物かは未確認ですが、演説会場にもよく姿を見せたSを名乗る有名な支持者の男性がいます。陣営に近いようで、投開票日の11月17日には斎藤氏の選挙事務所で10脚程度しか用意されなかった支援者用の席に座っていました。すぐそばには折田楓氏もいました」
斎藤氏の選挙戦は、SNSの4つの公式アカウントを「管理・監修した」と豪語する折田氏や、斎藤氏が中高6年間を過ごした愛媛県にある全寮制の進学校の同窓生グループが手伝っていたことがこれまでわかっていた。(#11)
これに加え、陣営に近いとみられる人物が管理に携わる1500人超のチャットや「責任者」の下で動く400人近いデジタルボランティアの存在が浮かび上がってきた。
選挙で斎藤氏に敗れた前尼崎市長・稲村和美氏の陣営は選挙期間中に2度、後援会のXアカウントが凍結された。稲村陣営は偽計業務妨害容疑で凍結に関与した人物を被疑者不詳のまま後に刑事告訴したが、凍結以前から、SNS空間は斎藤陣営が圧倒的に優位にあったことがうかがえる。
オープンチャットで練られていた印象操作作戦
この巨大オープンチャットでは、
「さいとうさんを支持する人は優しい。さいとうさんを糾弾する人はとんでもなく攻撃的で怖い・・・。このイメージ戦略いけるかと思います」
連合赤軍あさま山荘事件の警察が鉄球でアジトを破壊する動画を引き合いに出して稲村派=過激な左派系団体が取り巻きというイメージ戦略で、動画作成の中で引き合いに出してみます」
「話す分でしたら、『らしいですよ』を最後に加えて、盛りに盛った左派系だという話もありかもしれません。」
といった会話が飛び交っていた。斎藤氏のイメージを上げながら稲村氏を過激な「左派」と印象づけるアイデアが交換されていたと言ってもいい。また、斎藤氏を応援する動画の拡散を求める書き込みも多い。
さらに目を引くのが斎藤氏を応援するとして出馬した立花孝志氏に関する書き込みだ。
立花氏は斎藤氏の街頭演説の直前や直後に同じ場所で演説することを繰り返した。演説では、斎藤氏の疑惑をメディアなどに告発した後に亡くなった元西播磨県民局長・Aさん(60)が県幹部に押収された県公用パソコンにあった私的文書の“中身”だというものを口にし、メディアと県議会はこれを隠しながら斎藤氏を陥れたと主張。これが斎藤氏の支持拡大につながったと関係者は話す。(#14)
立花氏こについてのチャットでは礼賛一色で、「立花さんありがとうございます!立花さんがいてくれてよかった」「斎藤さんの為に出馬&暴露下さってますから…細かい不満は、良しとしましょ!こんな事してくれる方は他に居ないのですから」といった書き込みが複数見られる。
それだけではない。選挙戦初日の10月31日には「立花さんの(ポスター)を貼りまくります!」「ひとまず立花さんのポスター貼っておきます」と、斎藤氏の支持者が立花氏のポスター貼りに協力したとの報告が相次いだ。
だが、斎藤氏の支持者が立花氏のポスターをどうやって手に入れ貼ったのか。その理由をうかがわせる同一人物による連投が11月6日にあった。
「立花さんポスター第二弾について NHK等(ママ)に問い合わせしました。第二弾は明日11/7から配られるそうです。(明日からまた選挙区入られるとのことです。)さいとうさんのあと回られるんじゃないかと言うことです。そこでもらうことができます。」
「来られない方は、070-●●●●-●●●●へ(NHK党のポスター関係者)メッセージにて、下記の(住所などの)情報お送りいただければご郵送いたします。」
「第一弾以上に盛り上げて行こうじゃありませんか?」
奥谷氏の自宅前演説も“告示”
立花氏は掲示板用ポスターを2種類作り、選挙期間中に貼り替えている。この2番目のポスターは「元県民局長自殺の真相」と大書したうえで、Aさんのパソコンには「おびただしい数の不倫の証拠写真が保存されており」などと書かれていた。
元県民局長の知人らが「ポスターの記載は大嘘だ」と怒っていたものだが、(#14)このポスターが、斎藤氏の支持者オープンのチャットの呼びかけで貼られたということなのか。
記載された電話番号にかけてみると、都内の印刷会社だという男性が電話に出て、チャットの記載がうそではないことが確認できた。
「選挙初日から、立花さんの演説会場で希望する方にポスターを配布し、電話があった方には発送しました。
ポスターは2種類作り、4000枚ずつだったかな、枚数は今ちょっとはっきりしないけど、だいたい全部なくなりました。最初のポスターは3、4人くらいから欲しいと連絡があったかな。2番目のポスターは10件はいかないくらいの件数で発送したような気がします。発送枚数は2番目のものが合計で500か600枚くらいですね。
ただ大前提として僕は、連絡いただいた方が斎藤さんか立花さんか、どちらの陣営の方かは把握していません」(男性)
これだけではない。立花氏は11月3日、Aさんが告発した疑惑の真偽を調べる兵庫県議会の調査特別委員会(百条委)の委員長を務める奥谷謙一県議の自宅前で街頭演説を行なっている。
奥谷氏は、立花氏がこのとき「家から出てこいよ」「これ以上脅して奥谷が自死しても困るのでこれくらいにしておく」との趣旨の発言をしたとして、これらは脅迫罪にあたるとして刑事告訴している。
この演説の約2時間半前にあたる同日午後0時5分、チームさいとうのチャットには、
「●●(投稿者)“立花候補より 本日最初の街頭演説の場所はこちら! ●●(住所と最寄り駅)百条委員会 奥谷謙一 委員長の事務所前で、街頭演説します!14時30分から 立花孝志は嘘つき政治家を許さない! 近くやから行こ”」
との書き込みがなされていた。SNS上の動画ではマイクで話す立花氏に数十人の聴衆が歓声を送っている。この投稿者や、これを見た人が実際に奥谷氏の家の前まで足を運んだ可能性まであるとみられるのだ。
チームさいとうのチャットは選挙当日の11月17日午前0時に閉鎖された。
直前には「この度は本当に素晴らしい体験と経験をありがとうございました」との書き込みが続いた。なぜ、チャットを閉鎖する必要があったのだろうか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班