「気候危機の最大の責任者」 日本などに“特大化石賞” COP29(2024年11月23日『毎日新聞』)

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国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)での化石賞の授賞式。22日は日本などに「特大化石賞」が贈られた=アゼルバイジャン・バクーで2024年11月22日午後6時32分、山口智撮影
 アゼルバイジャン・バクーでの国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で会期最終日の22日、世界の環境NGOが参加する「気候行動ネットワーク(CAN)」は「特大化石賞」を、条約で途上国への資金支援を義務付けられている日本など先進国(24カ国・地域)に贈ると発表した。COP29会期中の日本の受賞は、G7として受賞した15日に続き2度目。
 COP29は途上国で地球温暖化対策を進めるための資金調達の方向性が最大の焦点で、資金目標の大幅増額を求める途上国と先進国の間の対立が続いてきた。CANは24カ国・地域を「気候危機を引き起こした最大の責任者」とし、「世界が産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑える目標を達成するために必要な資金を支払う義務から逃れようとしている」と指摘。さらに「金がないと言いながら、多額の資金を化石燃料につぎ込んでいる」と批判した。
 CANはCOP期間中のほぼ毎日、気候変動対策に後ろ向きだったり、COPでの交渉の進展を妨げたりした国などに化石賞を贈っている。22日は「本日の化石賞」を議長国アゼルバイジャンにも授与した。【バクー山口智