(写真:時事通信)
女性との自撮り撮影に応じる斎藤知事
SNSを中心に支持が拡大し、111万3911票を獲得して当選した斎藤氏。いっぽう選挙期間中には百条委員会に誹謗中傷が相次ぎ、メンバーの竹内英明県議が辞職するといった事態も。
さらに百条委員会の奥谷謙一委員長は、11月18日の記者会見で「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(57)が自宅兼事務所前で行った街頭演説で脅迫されたと明かしていた。
奥谷氏によれば、立花氏は演説の中で「引きこもってないで家から出てこいよ」「これ以上脅して奥谷が自死しても困るので、これくらいにしておく」と発言。奥谷氏は「自ら脅迫目的でこの行為をやっているということを、自ら仰っているということであります」と述べた上で、率直な思いをこう語っていた。
「母には避難してもらってたんですけど、やっぱり帰ってきた時にはちょっと怖かったんだろうと思いますけど、涙を流すようなこともあったので。私としてこう、家族にこれだけ迷惑をかけているというのは大変辛かったですし、同時にすごい怖い思いをしたということでありますので、これは大変遺憾です。しっかりと今後、厳正に対応していきたいと考えています」
一部から批判の対象にされている奥谷氏だが、21日には立花氏がXで《奥谷委員長の親戚の会社が倒産してるようだ!》と投稿。きっかけはあるユーザーが、兵庫県三木市にある奥谷氏の親族が経営する不燃板の製造・販売会社が倒産していたと指摘し、《斉藤知事に潰されて逆恨み?》と綴っていたこと。
立花氏はその投稿をリポストし、たちまち奥谷氏に対して《やはり利権にどっぷり浸かってた政治家のようですね…》《私怨だったとは》との声が相次いだ。
Xで拡散している政治経済・時事・倒産情報を発信するサイト「JCNET」によれば、同社の「破産事由」は《官庁の建築工事が減少し続け、さらに新コロナ事態では工事の延期や予定案件の中止なども相次ぎ、同社は売上不振から、資金繰りに窮し、今回の事態に至った》とのこと。
それだけでなく、同社の副社長が奥谷氏の父親だったとの情報も広がっている。たしかに斎藤氏は1期目で県庁舎の建て替え計画を凍結したが、その影響によって奥谷氏の親族の会社が倒産したと一部ユーザーの間で解釈されているのだ。
「奥谷の家の前におるけど、どこおんねん」知事選後も感じた身の危険
そこで本誌は、21日にXで拡散している噂について奥谷氏本人から話を聞いた(以下、カッコ内は奥谷氏)。
奥谷氏によれば、父親の弟が経営していた会社が破産したことは事実とのこと。また父親が副社長を務めていたこともあったが、奥谷氏が幼い頃のことで短期間だったという。
奥谷氏は同社の倒産を「母から聞いて、はじめて知った」といい、「一族経営では全くありません。叔父にはお世話になっている面もありますが、どちらかといえば疎遠に近い関係性でした」と説明。同社が斎藤県政と関わっていた可能性や、奥谷氏が斎藤氏を恨んでいるといった噂をキッパリ否定していた。
いっぽう自らの批判が過熱しているだけに、身の危険を感じることもあるという。
立花氏の街頭演説によって避難した母親の状況を尋ねると、「一応大丈夫です。年齢的にXもほとんど見ませんし、私も余計なことは言わないようにはしています。ただ少し怖いのは、立花氏が私の自宅兼事務所前で街頭演説をした動画があったんですけど、直接家の前まで来られるのは、怖がっているような気はします」とコメント。
加えてSNSでの攻撃的な投稿に、戸惑いを感じることも。
「いまも『事務所やねんから突撃してやれ』と煽っている投稿も見ますし、そういったことは母親には伝えていないんですが、怖く感じています。どのように対応していこうかと……。ある程度、私は仕方がありません。急に来られて、動画を撮られたり、というのはわかるんですが……。ただ、家族や近隣住民を巻き込んだら気の毒だな、という風に思っています」
また知事選後の身の回りへの影響について聞くと、「立花氏が私の自宅前で街頭演説をした次の日から、知り合いのところに母と避難していたので、私自身は確認していないのですが」と前置きした上で、身の危険性を感じた出来事をこう明かしていた。
「県庁の方にも色々と電話がかかってきていたようで、『奥谷の家の前におったけど、おれへんかったやないか』『奥谷の家の前におるけど、どこおんねん』といった内容もあったと聞いています。私に批判的な人が来ていたんだろうな、と。そう思ったらとても怖いですよね。マスコミなら限度を超えたことはしないだろうとこちらも思いますが、いきなり突撃してくるような人たちは、どこまでするか予想もできません。シンプルに恐怖を感じますね」
最後に「田舎の古い家ではありますが、近所をうろつかれたりし出したら迷惑をかけてしまうなと懸念しています。これからどうしていこうかと、考えています」と、困惑する心境を吐露していた。