兵庫県知事選に当選して一夜明け、晴れ晴れとした顔の斎藤元彦氏
斎藤元彦氏の再選は、X(旧ツイッター)やYouTubeなどのSNS・動画サイトが一つの原動力だった。有権者は新聞、テレビなど既存のメディアより、SNS上の情報を基に一票を投じたといわれている。斎藤氏はこの日の会見で「私は(既存メディアとSNSの)どっちに真実があるかないかは言っていないと思います」と話した。
新聞やテレビは選挙戦が始まってからは、公平性を保つために、特定の候補、政党に偏った報道を控える傾向にある。SNSにはそれがない。斎藤氏には“勝手連”的に約400人のデジタルボランティアが結成され、演説・主張をSNSに次々と投稿。それがさらに拡散され、最終的に膨大な数の有権者が目にすることになった。選挙関係者は「対立候補に関する偽情報も同時に広がった。SNS全盛の時代に、フェイクニュースを見抜くネットリテラシーも求められる」と指摘する。
元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(55)が18日、MBSテレビ「よんチャンTV」(月~金曜後3・40)に出演。無所属の前職・斎藤元彦氏(47)が再選を果たした17日投開票の兵庫県知事選についてコメントした。
パワハラ疑惑などを巡り県議会で不信任決議を受けたが、SNSを駆使した選挙戦略で“風”を起こし大逆転した斎藤氏。今後、不信任を突き抜けた全86議員との向き合い方が注目されるが、橋下氏は「兵庫県議会は完全にベタ降れですよ、斎藤さんに。俺の聞いたところ、もう降参、白旗。だからいかに早く斎藤さんとうまくやっていくかってことを議会は考えていて。斎藤さんもうまいです、“ワンチームでやっていく”と。あれだけ議会に不信任決議を出されても、選挙終わったのでワンチームでやっていくとメッセージ出したので、議会はしれーっと斎藤さんと一緒にやっていきます」と自身の推測を語った。
ただ、議会の調査特別委員会(百条委員会)で改めて証人尋問が行われる見通しで、混乱した県政を立て直せるかは不透明だ。それでも橋下氏は「これもほとんど追及とかはなくてヌルッとなります」と予想。
「あとは3月に向けての、第三者委員会っていう法律家が集まった…ここがきちっと結論出すと思うけど。議会はもうダメというか、不信任っていうのは1回出したら最後まで不信任を貫く覚悟で出さなきゃいけないんですよ。だから出した以上、斎藤さんが再選しても“我々は不信任、斎藤さんとは仕事しません”が本来の姿。だからこそ斎藤さんは議会を解散して議会を変えなきゃいけないんだけど、それをやらなかった。議会は不信任を貫かなきゃいけないんだけど、そんなことやったら有権者から文句が来て怖くてしょうがないから、もう兵庫県議会は完全に白旗です」と自身の見通しを語っていた。