「試合をするたびに選手が進化した」と三浦監督 DeNAが26年ぶり3度目の日本一、2連敗からの4連勝(2024年11月3日『東京新聞』)

 
 SMBC日本シリーズ2024は3日、横浜スタジアムで第6戦が行われ、DeNAソフトバンクに11-2で勝利。セ・リーグ3位からの下克上で、シリーズでは2連敗の後4連勝、1998年以来26年ぶり3度目の日本一に輝いた。
26年ぶりの日本一に輝き、胴上げされるDeNA・三浦監督=横浜スタジアムで(大橋脩人撮影)

26年ぶりの日本一に輝き、胴上げされるDeNA・三浦監督=横浜スタジアムで(大橋脩人撮影)

 DeNAは二回、筒香のソロと桑原の2点打で3点を先制。4-2で迎えた五回、筒香の満塁一掃二塁打、宮崎の適時二塁打など打者一巡の猛攻で7点を加えた。最後は救援4投手が無失点リレーでソフトバンク打線を抑え込んだ。
 ソフトバンクは先発・有原が3回4失点、3番手のスチュワートも5失点と誤算。反撃は柳田の2ランのみに終わった。
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◆「横浜で日本一になるために戻ってきた」筒香、7年前の雪辱

 7年前の頂上決戦と同じ顔合わせの日本シリーズ。違うのは栄光に輝いたチームだ。3連勝で王手をかけ、本拠地に戻ったDeNAソフトバンクを圧倒。あと一歩のところで日本一を逃した悔しさを知るベテランたちが軸になり、26年ぶりの栄光をたぐり寄せた。
 第1戦で抑えられた有原から突破口を開いたのが、今季米国から古巣に帰ってきた大砲だった。二回、先頭の筒香が低めのチェンジアップを振り抜く。本拠地のファンが総立ちの中、打球はバックスクリーン右に飛び込んだ。「横浜で日本一になるために戻ってきた」。そう語っていた通りの一発だった。さらに2死二、三塁で桑原。「もう1点、もう1点と強い気持ちを持っていた」。内角低めを振りきった打球は三遊間を破る2点適時打。大歓声にガッツポーズで応えた。
2回裏2死二、三塁、DeNA・桑原が左前に2点打を放つ。捕手甲斐(内山田正夫撮影)

2回裏2死二、三塁、DeNA・桑原が左前に2点打を放つ。捕手甲斐(内山田正夫撮影)

 今季と同じシーズン3位から日本シリーズに臨んだ2017年は2勝4敗で敗れた。その悔しさを知る桑原は、日本シリーズ新記録の5試合連続打点を挙げる活躍。MVPに輝いた背番号1は「最高のメンバーと一緒に全力で戦うことができて幸せ」と声を張り上げた。
 短期決戦では若手と助っ人も一体になり、強力投手陣から得点を積み重ねた。牧が第5戦で3ラン、けがをおして4番を務めたオースティンも要所で打棒を発揮した。
 圧倒的にソフトバンク優位という前評判を覆し、2連敗からの4連勝。下克上を完成させたナインを三浦監督はほほを緩めてたたえた。「試合をするたびに選手が進化してくれた」。気持ちを一つにした選手たちが、新たな歴史の扉を開いた。(酒井翔平)
日本一を決め、抱き合って喜ぶDeNAの森原㊧と戸柱(戸田泰雅撮影)

日本一を決め、抱き合って喜ぶDeNAの森原㊧と戸柱(戸田泰雅撮影)