スタンドに手を振りながらグラウンドを後にする阿部監督(撮影・佐藤厚)
「JERA CSセ・ファイナルS・第6戦、巨人2-3DeNA」(21日、東京ドーム)
ほえる牧 ぼう然と立ち尽くす岡本和 非情すぎる結末
9回、牧に勝ち越し適時打を浴びた菅野(撮影・伊藤笙子)
リーグ覇者の巨人はDeNAとの歴史的死闘に敗れ、4年ぶりの日本シリーズ進出を逃した。
悪夢は2-2の九回だった。八回から登板した菅野が九回も続投。中3日で奮闘した右腕だったが、先頭・森敬の安打からピンチを招いた。2死三塁となり、牧に痛恨の左前適時打を浴びた。
今オフ、メジャー挑戦の意向を表明している右腕は日本一への意欲を燃やしていたが、まさかの展開に。九回裏は反撃できず、主砲・岡本和が最後の打者となった。
敗退が決まり、巨人ナインは右翼席へ整列し、全員で挨拶。決勝点を献上した菅野、最後の打者となった岡本和らは現実を受け入れられない様子で、一様に呆然とした表情を浮かべた。
阿部監督は本塁ベース付近で三浦監督のもとへ歩み寄り、がっちり握手。笑顔で言葉も送った。だが、ベンチへ戻る際には目元に涙も浮かぶ様子もみられた。
試合後、阿部監督は開口一番、「勝たしてあげられなかった。申し訳ない」と謝罪。続けて、「こういう難しいポストシーズンを勝たせてあげられなかったのが一番」と繰り返した。
2週間ぶりの実戦で、調整の難しさもあった。ただ、指揮官は「調整もそうだし、なかなか、思うように機能しなかったし、させてあげられなかった。今のところの反省ですね」と唇をかんだ。
試合後には選手を集め、ミーティングを開いた。「優勝した自信というのは持っていてほしい。難しいゲームを勝てなかったのは来年につなげてほしいと言った」と選手への思いも語った。