養女・小田貴月さん「高倉健の愛した食卓」出版 「17年間の日常をお料理で振り返りました」(2024年10月8日)

 11月10日に没後10年を迎える俳優高倉健さん(享年83)の養女、小田貴月(たか)さんが9日に新著「高倉健の愛した食卓」(文芸春秋)を出版する。

 100%外食だった健さんの食生活を劇的に変え、俳優人生を支えた小田さんが、共に食べたおよそ1万3000食から厳選した約200品のメニューを完全再現。「ブランチ」「小鉢・副菜」「主菜」「しめの一品」「正月料理」「ドリンク&スイーツ」「夜食」の7章立てで、添えられた「メニューにはない思い出のはなし」も味わい深い。  自然光の中で撮影された写真の美しさは圧巻で、小田さんは「“ごちそうさま。おいしかった”。高倉の声の余韻に後押しされながら、17年間の日常を、お料理で振り返りました」と語っている。15日からは東京都千代田区紀尾井町 文春ギャラリーで「高倉健の愛した食卓」写真展も開催される。

高倉健の愛した食卓 単行本 – 2024/10/9

高倉健さんに17年寄り添ったパートナーの小田貴月による、健さんが生前召し上がっていた家庭料理を紹介するフォトエッセイ集。
健さんは、貴月さんと出会う前は、「100%外食、足りない分はサプリメントで補う」という食生活。そんな生活から、100%お家で食べるという生活に変わりました。
毎日の食事だけでなく、夜食やスイーツまで全て手作り。「一日中キッチンにいるような生活でした」と貴月さん。

朝昼兼用のブランチでは、サラダだけでも5種類、肉まんやピザ、太巻き、お稲荷さんと、旬の彩り豊かな食材や果物をたっぷりと摂り入れ、和食、洋食、中華、フレンチ、イタリアンとバラエティに富んだ献立となっています。
食卓に出すものは、あたたかいものか常温のもの、魚料理とアルコールはNG。お肉が大好きで、毎日必ず豆腐を召し上がっていました。とにかく健康で、太らないよう、体力と気力を万全にしておく。「鉄道員」に主演する前と後とでは映画で観る健さんの顔色ツヤが全く違うというくらい、俳優業に専念できる環境を整えるための食事を、真心をこめて作られていることが伝わってきます。

お二人が共に食べたおよそ13,000食の中からメニューを選び、四季折々の食材を使い、料理した234品を紹介。健さんが生前愛用していた食器や思い出の品も紹介。幼少期の食の思い出や、出演作にまつわるエピソードを織り交ぜながら、お家ごはんを楽しんでいる様子は、スクリーンの中の高倉健さんのイメージとは180度違うことにも気がつかされます。

約1年かけて料理を作り、自然光の中、自宅で撮影した料理とともに、健さんの食にまつわるエピソード満載の心和む1冊です。