記者団の取材に応じる石破茂首相=5日午後、東京・永田町
就任後初の外遊で、同志国との連携重視の姿勢をアピールするのが狙いだ。一部の関係国はアジア版NATO(北大西洋条約機構)創設など首相の持論を懸念しているとの見方もあり、対面での首脳外交デビューの場でどのような発信をするか注目される。
首相は4日の所信表明演説で、冒頭の自民党派閥裏金事件に続いて外交・安全保障を取り上げ、「日米同盟を基軸に友好国・同志国を増やし、わが国の平和、地域の安定を実現する」と強調。「ASEANとの連携強化に取り組む」と語った。
首相は就任前からビエンチャン訪問を明言。早ければ9日の衆院解散直後に日本を出発し、衆院選公示の目前に帰国する「強行軍」だが、欠席すれば「中国の独壇場になる」(外務省幹部)との懸念が背景にある。衆院選に向けて「石破外交」を印象付けたいとの思惑もありそうだ。