「悪いのは自民党ですよ」兵庫県知事「不信任決議案」可決も…県議が憤る、維新に責任を押しつけた “無責任” 国会議員(2024年9月20日『SmartFLASH』)

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兵庫県定例議会に出席する兵庫県知事
 9月19日、兵庫県議会が斎藤元彦知事の不信任決議案を全会一致で可決した。
 斎藤知事は、7月に亡くなった元西播磨局長による告発文書をきっかけに、数々の “おねだり” と “パワハラ” 疑惑が明るみになった。さらに、2023年11月のプロ野球優勝パレードの経費不正に関与させられた元課長の自死も判明し、現在、その進退に対して日本中で注目が集まっている。
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「今回提出された不信任決議案は、当初自民党を中心に日本維新の会を除く会派で、補正予算の成立後に提出する予定でした。ところが、9日に日本維新の会が辞職要求を出したことで、県議会の冒頭で決議されることになりました」(地元紙記者)
 不信任案の可決を受けて、斎藤知事は今後10日以内に議会を解散するか辞職するかを選ばなければ、自動で失職することになる。
「遅すぎたという印象ですね。それもこれも自民党のせいですよ」
 と憤るのは、ある兵庫県議だ。
「世間の印象は、これまで斎藤知事を支援しながら、今回の騒動で早々に辞任させられなかった維新が悪い、という印象でしょう。しかし、本当に無責任なのは自民党なんですよ。
 そもそも斎藤知事は、知事選では維新の会のイメージカラーのグリーンではなく、自民党のブルーののぼりを立てて戦っていましたし、知事選の初日には、西村康稔議員ら自民党の国会議員がずらりと応援のために並んでいましたからね(西村氏は、現在は裏金問題で党員資格停止中)。
 さかのぼれば、斎藤家は祖父の代から自民党員の党籍を持っています。選挙で斎藤さんが最初に発した言葉も、『自分はこれからも真っすぐに自民党です』でした」
 当然、斎藤知事に引導を渡すべきだったのも自民党だという。
「県連を仕切っていたのは西村議員です。その次が盛山(正仁)議員。ところが、西村議員は裏金問題の影響で自分の選挙対策に没頭しているし、盛山議員は統一教会接触していた問題が浮上して以来、事務所に顔を出さなくなってしまった。
 つまり、斎藤知事は、責任を持って相談できる相手が消えてしまったんです。そして、職員で相談できたのは、百条委員会で『知事からの指示だった』を連発している副市長ら “4人組” だけですからね。
 通常、知事クラスの大物が辞任するとなった場合、それなりのポストを用意したうえで、『次はこういう席を用意したから、党のためにも辞めてくれ』と説得するものなんです。
 ところが、斎藤知事は世間で “維新の人間” という烙印を押されましたからね。そこで、自民党は完全に静観する姿勢を貫くことにしたんです。維新のイメージがダウンするぶんには、自民党にとってプラスでしかありませんから。
 しかし、維新の会・吉村洋文共同代表らがあわてて辞職要求したところで、“自民党の人間” である斎藤知事が聞く耳を持つわけがない。そうして、誰も責任を取ろうとしないまま野放しになり、こういう結果になってしまったんです」(前出・兵庫県議)
 同情すべきところはあるにせよ、斎藤知事は、最後ぐらい責任を取ってほしいところだ。