悠仁親王殿下 ご成年を挙って寿ぎたい(2024年9月6日『産経新聞』-「主張」)

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秋篠宮邸の庭で、トンボが飛来する池の周辺の植物の様子などを観察される秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さま=東京都港区の赤坂御用地宮内庁提供)
 秋篠宮皇嗣同妃両殿下の長男で、皇位継承順位第2位の悠仁親王殿下が、18歳の成年を迎えられた。
連綿と続く日本の皇室の未来を照らす慶事である。国民挙(こぞ)って寿(ことほ)ぎ、成長された悠仁親王殿下にお祝いを申し上げたい。
 親王殿下は平成18年9月6日にお生まれになった。その時の喜びは、いまなお鮮明だ。
 それまで男性皇族の誕生は40年以上なかった。親王殿下ご誕生で列島に喜びの声があがり、提灯(ちょうちん)行列をはじめさまざまな奉祝行事が開かれた。
 親王殿下は健やかに成長された。平成31年にはお茶の水女子大附属小学校を、令和4年には同附属中学校を卒業し、筑波大附属高校に進学された。幼少の頃から自然や生物に高い関心を持ち、昨年には外部の研究者と共同でトンボに関する学術論文も発表されている。
 日本の別名に秋津洲(あきつしま)(秋津島)がある。「あきつ」はトンボの古名で、日本は多くのトンボが舞い飛ぶ国である。将来皇位を継ぎ、日本国と日本国民統合の象徴になる親王殿下が、トンボに関心を寄せられたことにめでたさを感じる。
 学業と並行し、未来の天皇としての見識を深められていることは頼もしい限りだ。伊勢神宮を参拝されたり、秋篠宮皇嗣同妃両殿下のご活動に同行して外国の王族との交流にも努められたりしている。
 今上(きんじょう)陛下は令和2年11月、国事行為を含む立皇嗣の礼を挙行された。陛下が、次の天皇秋篠宮皇嗣殿下だと日本国で最も重い儀式で示されたことを意味する。今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下へと続く、男系による正統は確立している。政府が4年1月に国会へ提出した報告書に明記した通り、この継承の流れを「ゆるがせにしてはならない」のである。
 一方、SNSを中心に秋篠宮家や悠仁親王殿下に関する事実無根の中傷が最近見受けられるのは誠に残念だ。皇室の方々は立場上、直接反論されることができない。内閣や宮内庁はいったい何をしているのか。全力でお守りしなければならない。
 成年を迎えられた親王殿下は高校3年生でいらっしゃるため、「成年式」は高校ご卒業後の来春以降となる。さまざまな行事で凜々(りり)しいお姿を拝するのを楽しみに待ちたい。