《各班一斉に訪問し、調査開始》兵庫県・斎藤元彦知事パワハラ問題 告発職員への「ガサ入れ」後にも“執拗な情報源探し”が続けられていた(2024年9月3日『文春オンライン』)

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辞職した片山安孝副知事
 兵庫県・斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを告発したX氏が、その後「死をもって抗議する」というメッセージを残して命を絶った問題。
【解説動画】兵庫県内部告発者に行った悪辣な“ガサ入れ”と“共犯者探し”
 「週刊文春」 は、片山安孝副知事(当時)ら兵庫県幹部らが、「庁内調査手順」という“ガサ入れ指示書”に基づいて告発者のX氏らに事情聴取を行っていた事実を報じた。
 この文書で明らかになったのは、
〈周囲の職員に対しては、訪問の目的は「近くに来たので寄っただけ」と伝える〉
 など、県幹部らが周囲の職員に嘘をついて調査を進めるという強権的な手口だった。
 一連の問題について取材を続けている「週刊文春」のO記者が解説する。
「県はX氏のほか、Y氏、Z氏という計3人の職員の職場に同時にガサ入れを行おうとしていました。ただ、計画していた通りにはいかず、実際には、その日はZ氏は終日不在だった」
 告発文書作成の“本命”と目されていたX氏に対しては、片山副知事が取り調べを行った。 「週刊文春電子版」で公開している取り調べ音声 では、片山氏が情報源を執拗に聞き出そうとする様子が収められている。
「片山副知事が『誰に聞いたんや?』と尋ね、X氏は『それは言えません』と答えています。それに対して片山氏は、『せやろ。言えへんやろお前』とたたみかける。X氏としては、情報源がばれてしまうと、その人たちも処分を受ける可能性があるので『みんな噂してますよ』と答えるのですが、片山氏はその言葉尻をとらえて『噂をまとめただけということやな』と真実相当性がないとしている。これは結論ありきの聴取だったのではないかと思います」(O記者)
 だが、県はX氏の告発を「噂をまとめただけ」と断じて以降も、執拗に“情報源探し”を行っていた。
「実はこの3人以外にも、その後県から聴取を受けた職員がいるのです」(同前)
 一体、どのような職員が事情聴取を受けていたのかーー。
 県や片山副知事による取り調べの内容のほか、斎藤知事の責任、百条委員会の争点、百条委員会に出頭予定の前総務部長への取材の回答などを記者が解説した動画番組およびテキスト記事は、 週刊文春電子版 で見ることができる。

「知事説明責任果たして」神戸商議所会頭…県全体の影響懸念(2024年9月3日『読売新聞』)
 
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定例記者会見で話をする神戸商工会議所の川崎会頭(神戸市中央区で)
 神戸商工会議所の川崎博也会頭は2日、神戸市内で開いた定例記者会見で、斎藤知事のパワハラ疑惑などを巡る一連の問題で県政が混乱していることに対し、「県民は不安の中にいる。知事は、説明責任をしっかり果たすべきだ」と述べた。
 川崎会頭は、県市長会が早期に問題を収束させるよう斎藤知事に求める要望書を8月に提出したことに触れ、「県政の混乱と停滞は深刻。単なる受け答えだけでなく、県政が前に進んでいるのか」と語った。
 県立大の授業料無償化や高校生の留学支援など、斎藤知事が掲げる若者・Z世代支援策への影響について、「話が進んでいるのか、来年以降どうなるのか、懸念している人が多い。納得のいく説明ができなければ、県全体のマイナス影響になる」と指摘。県の予算審議などにも影響が出かねない状況に、「それだけはあってはならない」と訴えた。
 現在、県議会の百条委員会などで進められている疑惑の解明については、「政治的にどうなるのかは、百条委員会や第三者機関、議会が判断すること。私は答える立場にない」と話した。
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兵庫県議会が開いた百条委員会に出頭した斎藤元彦知事(神戸市中央区で)=代表撮影

菊間千乃氏「相当悪質だ」兵庫県による元局長の私的情報漏えい疑惑「事実ならちょっとひどい」(2024年9月3日『日刊スポーツ』)
 
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菊間千乃氏(2021年3月撮影)
 元フジテレビアナウンサーで弁護士の菊間千乃氏は3日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演し、兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などに関連し、疑惑を告発した元局長の私的な情報を知事の側近が漏えいした疑惑が出ていることについて、その経緯に強い疑問を示した。
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菊間千乃氏、化粧品会社社長に転身した同期の元アナと再会ショット
 斎藤知事は先月29日、今回の疑惑を告発して懲戒処分を受けた後、7月に死亡した元局長の公用パソコンにあったプライベートな内容の情報について、知事側近の幹部が県議など外部に漏らした疑いがあるとして、県による調査を検討していると述べた。「私自身が情報の漏えいを指示したことはない」とし、漏えいが疑われている職員もそうした行為を否定しているとしながらも「疑いが出ているのなら、何らかの対応が必要」とも話した。
 番組では、この疑惑について複数の情報源から情報を入手したとする兵庫県議が「パワハラやおねだりなどとは次元の違う、極めて悪質な職務違反に関わる問題」と指摘していることにも触れた。
 菊間氏は、元総務部長が死亡した元局長のメールのデータをプリントアウトして、各方面に「これ見てください」と言ってやりとりしているのを見た、とする県関係者の証言があることに言及。「見せられた人が1人ではなく複数いるなら、どこかでそれをやったのかどうかは、時間とともに明らかになるのかな、という気がする」との見立てを示した。
 その上で「そもそも今回のことが、パワハラ防止法、公益通報者保護法(の抵触)に当たるのかは置いておいて、いずれにせよ通報した人は不利益な措置を受けない、守られないといけないというものがある。匿名の通報でも、通報を受けたら調べないといけないと法律上書いてあるのに、だれかを特定しにいって、しかも、その発言を封じ込めるために本当にこういうことをやっているとしたら、相当に悪質だ」と、不快感を示した。
 「私もいろんなパワハラ事案をみていますが、こういうやり方で口封じをしようとしたというケースは、見たことがない。事実であるとしたら、ちょっとひどいなと思う」とも、指摘した。

泉房穂氏 兵庫県知事と総務省の関係を批判「総務省の官僚が62年以上知事の地位にある」(2024年9月3日『東スポWEB』)
 
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 前明石市長で弁護士の泉房穂氏(61)が3日「X」(旧ツイッター)を更新。兵庫県知事と総務省の関係についてつづった。
  泉氏は2日「情報ライブ ミヤネ屋」に出演。パワハラ疑惑で調査特別委員会(百条委員会)の証人尋問を受けた斎藤元彦兵庫県知事について語った。
 番組内で兵庫県県知事は斎藤知事以前から総務省出身者が知事に就くという状況が62年間続いていることを指摘。兵庫県の歪みについて「兵庫県民ですし、今の状況は放置できない」と批判した。
 泉氏はこの発言を取り上げた記事を引用し「“総務省の官僚”が1962年から62年以上にもわたって、ずっと知事の地位にあるのが兵庫県の特徴」と驚きの事実を指摘。
 その上で「“お殿様”が兵庫県庁に派遣されてくるようなイメージで、『“お殿様”の言うことは絶対』という組織風土が脈々と続いている。今回の背景には、兵庫県庁の組織風土も無関係ではない…」と知事の“お殿様体質”が今回のパワハラ疑惑の大きな要因の一つ…という見方を示した。