国から秘書給与をだまし取った疑いがあるとして、東京地検特捜部から詐欺容疑で関係先を家宅捜索された自民党の広瀬めぐみ参院議員(岩手選挙区)。7月30日の捜索後に離党届を提出し受理されたが、地元の支持者らへの説明はないままだ。裏金問題などで与党への批判がやまない中、地元の自民岩手県連への打撃は計り知れない。
「説明責任を果たしてほしい」
「小沢王国」に風穴を開け、党勢を立て直そうと2022年の参院選に擁立した広瀬氏が当選して2年あまり。こうして県連に衝撃を与えることになるとは、誰が予想しただろう。
「具体的にどう対応するか、何も決まっていない」。広瀬氏が離党届を提出した翌31日、岩手県連関係者の一人はそう繰り返した。
県連会長の藤原崇衆院議員(岩手3区)はコメントを出し、「党を離れたとしても、議員として説明を行う必要がある」と呼びかけた。
相次ぐ騒動、裏金問題の逆風も
しかし23年にはパリ・エッフェル塔前での記念写真に端を発する自民党女性局のフランス研修問題が露見。広瀬氏も研修に参加し、ネット交流サービス(SNS)に投稿した写真が批判を浴びた。自民が全面支援する候補が敗れた同年の岩手県知事選に少なからず影響を与えたともささやかれる。
さらに今年2月には、週刊誌で外国人男性との不倫疑惑が報じられた。疑惑を事実と認め「私の不徳のいたすところにより、多くの方々に多大なるご迷惑とご心配をおかけしてしまった」と謝罪。県連副会長を辞任し、表立った活動も自粛してきた。
裏金問題で与党への全国的な逆風が強まる中、県連は4~5月、県内11カ所で支援者を集めた「車座対話集会」を開催した。一連の問題に関する、事実上の「おわび行脚」。来夏に近づいた参院選や、解散がささやかれる衆議院の選挙への対応の足がかりとする狙いがあった。
「信頼回復に一つ一つ取り組んできた矢先の強制捜査。影響は大きい」。県連幹事長の臼沢勉県議は取材に対し、そう話すしかない様子だった。【釣田祐喜】
「同じ手口やん」広瀬めぐみ議員の家宅捜索で “流れ弾” が大物議員を直撃、同僚議員の投稿も “火に油” の大惨事(2024年7月31日『SmartFLASH』)
秘書給与詐取の疑いがある広瀬めぐみ参院議員
「広瀬議員は弁護士で、2022年の参院選に自民党から出馬して初当選しました。2022年から2023年にかけて、公設第1秘書の妻を公設第2秘書として届け出ていました。ですが、実際には勤務しておらず、国から支給された数百万円をだまし取ったのではないかと指摘されています(広瀬氏は「勤務実態はあった」と反論)。
広瀬議員は、2023年7月のいわゆる “エッフェル騒動” で批判を受け、翌年2月には『デイリー新潮』でカナダ人サックス奏者との不倫を報じられたことで、一躍注目を集めました」(政治担当記者)
これらの報道に対して、X上では多くの批判が寄せられているが、なぜか “別の人物” の名前も連想されている。
《辻元清美と同じ手口やん》
《広瀬めぐみのせいで思い出される辻元清美の不祥事草 大分風化してたはずなのに》
「2002年、辻元氏に政策秘書2人分の給与約1870万円を国から詐取した疑いが浮上、辻元氏を含む4人が逮捕されました。辻元氏は2004年に懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を受けています。
辻元氏はこの件が報道された直後に衆院議員を辞職しましたが、2005年の総選挙に出馬し、比例復活で議員に復帰しています。今回の広瀬議員の報道で、この件を思い出した人が多くいるということでしょう」(週刊誌記者)
この杉尾氏のポストのコメントには、
《おたくのところの辻元先輩》
《後ろから辻元清美撃ってるやん》
《ひでや、いつものブーメラン》
など、ネガティブな意見で埋めつくされている “大惨事” 状態だ。
広瀬氏は7月30日、自民党を離党したが、Xでは
《離党ではなく議員辞職すべきでしょ》
と、議員辞職を求める厳しい声が多数みられる。今後の展開に注目したい。
自民党の広瀬めぐみ氏
公設秘書の給与を国からだまし取った疑いがあるとして、東京地検特捜部は30日、東京・永田町にある自民党の広瀬めぐみ参院議員(58)=岩手選挙区=の議員会館事務所や、東京都文京区の広瀬氏の自宅を詐欺容疑で家宅捜索した。詐取したとされる金額は数百万円に上るとみられ、特捜部は資料を分析し、広瀬氏の立件の可否を検討する。広瀬氏は離党する意向を固め、党幹部に伝えた。
広瀬氏がだまし取ったとされるのは公設第2秘書の給与。広瀬氏の説明によると、第2秘書は公設第1秘書の妻で、2022年12月~23年8月に在籍していた。しかし関係者によると、第2秘書には勤務実態がなく、広瀬氏が給与を国からだまし取った疑いがあるという。
週刊新潮が3月、この疑惑を報道。広瀬氏は自身のホームページで、週刊誌報道は事実無根だと反論。第2秘書としての勤務実態はあり「平日は岩手県遠野市で支援者のリスト更新をリモートワークで担当したり、土日は盛岡市で送迎をしてもらったりしていた」と説明していた。広瀬氏は30日、事務所前で報道陣に対し「事情が分かってから対応します」と述べた。
参院事務局によると、国会議員の公設秘書の給与は秘書給与法が規定。月給は年齢や勤続年数で異なり、公設第2秘書の場合、約32万~47万円となっている。