◆辞任迫る野党に「首相から立て直し指示された」
「現場の不祥事が最終的にはトップの責任になる。けじめをつけるべきだ」。30日の衆院安保委で、立憲民主党の渡辺周氏は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題で2017年に引責辞任した稲田朋美防衛相(当時)を引き合いに、木原氏に辞任を迫った。木原氏は「首相から組織の立て直しを指示されている」と続投の必要性を強調した。
潜水手当の不正受給で昨年11月に4人が逮捕されたことは、今月18日に立民が防衛省への聞き取りを行うまで公表されなかった。6月に閉会した通常国会への影響を避けるために隠蔽(いんぺい)していた可能性を問われた木原氏は「あえて報告を避けたのではないと信じている」と答えた。
特定秘密の不適切運用の公表時期にも疑念が向けられた。通常国会では、経済安全保障上の機密情報を扱う民間人らを身辺調査するセキュリティー・クリアランス(適性評価)を導入する重要経済安保情報保護法が成立した。審議中に不祥事が公表されれば、同法への反対論が高まっていた可能性がある。木原氏は、故意に公表を遅らせたわけではなく、再発防止を進めていると訴えた。
◆川崎重工業社員からの接待は概要すら明かさず
海自隊員が川崎重工業の社員から金品提供や接待を受けていた疑惑については特別防衛監察を理由に、概要すら明かされなかった。
木原氏は個別の不祥事について釈明はしたが、防衛省・自衛隊で不祥事が相次ぐ原因に関する丁寧な説明はなかった。共産党の小池晃書記局長は30日の記者会見で「木原氏には率先して真相を解明しようという姿勢が感じられない」と批判した。
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