トランプ氏 共和党大統領候補に 副大統領候補は39歳(2024年7月16日『NHKニュース』)

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11月のアメリカ大統領選挙で政権奪還を目指す野党・共和党の全国党大会が開かれ、トランプ前大統領が党の大統領候補に正式に指名されました。また、副大統領候補には上院議員のJ・D・バンス氏が指名されました。
一方、トランプ氏が選挙集会の演説中に銃撃された事件を巡り現場の警備態勢に問題があったのではないかと批判の声が上がる中、バイデン政権は近く、第三者による独立した調査を始めると発表しました。
※トランプ氏などをめぐる日本時間の16日の動きについて、記事を随時更新してお伝えします。
バイデン政権 トランプ氏銃撃事件で近く第三者による調査へ
トランプ前大統領が13日に選挙集会で演説中に銃撃された事件では、これまでに容疑者の男が集会会場近くの建物の屋根の上から発砲したことがわかっています。このため、なぜ男がトランプ氏の姿が見通せるような場所に立ち入ることができたのか、警備態勢に批判の声が上がっています。
こうした中、国土安全保障省マヨルカス長官は15日、バイデン大統領の命令でシークレット・サービスなどの当局の警備態勢について、近く第三者による独立した調査を始めると発表しました。
マヨルカス長官は「国の指導者たちを守るという失敗の許されない任務を、もっとも効果的に遂行するために緊急かつ長期的に必要な是正措置を見いだす」と説明していて、調査結果は国民に公表するとしています。
マヨルカス長官はまた、大統領選挙に無所属での立候補を表明しているロバート・ケネディ・ジュニア氏と共和党の副大統領候補に指名された上院議員のJ・D・バンス氏が新たにシークレット・サービスの警護の対象となると明らかにしました。
バイデン氏“バンス氏はトランプ氏のクローン”
アメリカのトランプ前大統領が副大統領候補として上院議員のJ・D・バンス氏を選んだことを受け、バイデン氏の陣営は15日、声明を出しました。
この中で、バイデン陣営は2021年1月6日に当時のペンス副大統領がトランプ氏から、前年の大統領選挙の結果を覆し、みずからを勝者として宣言するよう要請されたものの、拒否したとされることを踏まえ「副大統領候補にバンス氏が選ばれたのは、ペンス氏が1月6日に行わなかったことをするからだ」と指摘しました。
そのうえで「バンス氏は2020年の選挙結果を否定し、政治暴力の弁解をしている」として、トランプ氏の支持者らが連邦議会に乱入した事件を擁護していると強く批判しました。
また、バイデン大統領は記者団からバンス氏が選ばれたことについて質問され「彼はトランプ氏のクローンだ。何の違いもない」と応じました。
トランプ氏 過半数獲得 共和党の大統領候補に正式指名
アメリカの野党・共和党の全国党大会は15日、中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで4日間の日程で始まりました。
トランプ前大統領は党大会が開幕する2日前の13日、東部ペンシルベニア州での演説中に銃撃を受け、右の耳にけがをしましたが、党大会に出席するため、すでに開催地に到着しています。
大会初日は、各州選出の代議員による指名投票が行われ、トランプ氏が過半数を獲得し、日本時間の16日朝、党の大統領候補に正式に指名されました。
トランプ氏は、党大会最終日の18日に指名受諾演説を行う予定で、党大会を通じて、暴力に屈しない姿勢を強調するとともに、秋の大統領選挙に向けて弾みをつけたい考えです。
副大統領候補に上院議員のJ・D・バンス氏
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J・D・バンス氏(39)
共和党の大統領候補の指名決定に先立ち、11月のアメリカ大統領選挙で返り咲きを目指すトランプ前大統領は15日、自身のSNSに、副大統領候補として上院議員のJ・D・バンス氏を選んだと発表し、その後党大会でトランプ氏とともに正式に指名されました。
バンス氏は中西部オハイオ州出身の39歳。2年前、2022年の中間選挙で、トランプ氏の全面支援を受けてオハイオ州選出の上院議員に初当選しました。
オハイオ州で育った自身の経験をもとに、製造業が衰退した地域に暮らす、白人労働者層の日常を描いた回顧録、“ヒルビリー・エレジーアメリカの繁栄から取り残された白人たち”を8年前に出版。ベストセラー作家となった異色の経歴を持ちます。
バンス氏は、かつてはトランプ氏を批判し、「反トランプ」と見られていたこともありますが、その後、SNSへの批判的な投稿をすべて削除し、トランプ氏支持に転じました。
「中間層の生活を守るにはトランプ氏が掲げる『アメリカ第一主義』が必要だ」と強く訴えていて、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの支援を継続することに反対しています。
トランプ氏の機密文書めぐる裁判 連邦地方裁判所が起訴を棄却
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アメリカのトランプ前大統領が軍の情報など、最高機密を含む文書を不正にフロリダ州の自宅で保管していたとしてスパイ防止法違反の罪などに問われていた裁判で、アメリカのメディアは15日、フロリダ州の連邦地方裁判所が検察側の起訴を棄却したと伝えました。
メディアは、検察側は不服を申し立てるとみられるとしていますが、トランプ氏側にとって大きな勝利だとも伝えています。