都知事選告示(2024年6月20日)

首都のあす、次の顔は 有権者「具体案を重視」 都知事選告示(2024年6月20日『時事通信』)
 
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東京都知事選が告示され、街頭演説に集まった人たち=20日午前、東京都中野区
 
 首都・東京の次のリーダーを決める都知事選が20日午前、告示された。
 少子化対策や首都直下地震への対応など喫緊の課題が山積みの都政。過去最多の約50人が名乗りを上げる中、有権者は「問題解決への具体案があるかを重視したい」と真剣な表情を見せた。
 都庁お膝元の新宿区では、子育て施策の強化を求める声が上がった。保育園園長の野沢真紀さん(53)=豊島区=は「保育士の数が足りないのが問題だ」とした上で、「保育士の給料を上げるなど処遇改善に取り組んでほしい」と要望。「各候補予定者がいろいろな公約を掲げるが、具体的な案があるかを重視したい」と語った。
 若者らの待ち合わせ場所として知られるJR渋谷駅のハチ公前広場。練馬区の会社員女性(25)は「政治にあまり関心はなく、投票には一度しか行ったことがない」とし、「誰が都知事になっても…」と関心は低い様子だった。都内の高校に通う男性(15)は「選挙権はまだなく、政治に詳しくないが、学生なので学費が安くなったらうれしい」と話した。
 選挙戦を巡っては、4月の衆院東京15区補欠選挙で候補者の演説が妨害される事件も発生。高齢者が多く集まる東京・巣鴨の商店街で靴店に勤める木村雅義さん(81)は「正しく健全な選挙活動が行われることを願いたい」と期待を込めた。 
 

小池都政継続か刷新か 都知事選、最多の50人超立候補(2024年6月20日『共同通信』)
 
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都知事選が告示され、候補者の第一声を聞く有権者ら(20日午前、東京都中野区)=一部画像処理しています
東京都の小池百合子知事(71)の任期満了に伴う都知事選が20日告示され、午後1時時点で51人が立候補を届け出た。立候補者数は過去最多となった。2期8年続いた小池都政への評価や少子高齢化、防災対策などを主な争点に7月7日に投開票される。
選挙戦は3選を目指す小池氏に前参院議員の蓮舫氏(56)、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、元航空幕僚長田母神俊雄氏(75)らが挑み論戦が繰り広げられる構図となる。
国政選挙並みに注目を集める都知事選で、今回は50人以上が選挙管理委員会の事前審査を終えている。過去最多だった前回2020年の22人を大幅に上回った。都選管は最大48人分のポスターが貼れる掲示板を用意していたが、増設を決めた。
主要政党のうち自民党公明党は小池氏、立憲民主党共産党蓮舫氏を支援する。日本維新の会は自主投票、国民民主党は都連での小池氏の支持を決めた。政治資金問題で逆風が吹く自民党は水面下で支援する。小池、蓮舫両氏は19日に日本記者クラブが開いた共同記者会見などで政党の推薦を受けず、幅広い支援を募る考えを示している。
小池氏は新宿区内の選挙事務所で出発式を開いた。イメージカラーの緑のジャケット姿でマイクを握り「いま立ち止まる余裕はない。世界で一番の都市・東京を確立する」と会場に集まった支援者らを前に声を張り上げた。
蓮舫氏はJR中野駅前でマイクを握り「徹底して若い人の負担と不安を取り除きたい。本物の行政改革を担わせていただきたい」と聴衆に呼びかけた。「東京は暮らしづらさが広がり、物価高だ。政治は皆さんの暮らしよりも裏金だ」とも主張した。
石丸氏は新宿区内に開設した事務所前で第一声を上げた。「より良い政治、より良い東京、より良い日本、そのためにまずは私たちが動いていこう」と力を込めた。沿道には多くの支援者らが駆けつけた。
田母神氏は中央区築地の事務所近くで演説した。「日本を立て直したい。それを東京から始めたい。私には実行力がある」とあいさつしたうえで、防災対策の強化や都民税の減税などを訴えた。
◇立候補者(届け出順)
野間口 翔36 郵便局員  無新
沢  繁実47 元陸上自衛官無新
大和 行男46 医師    無新
木宮 光喜71 政治団体役員諸新
小池百合子71 知事    無現
内海  聡49 医師    諸新
石丸 伸二41 前市長   無新
小野寺紘毅79 法人理事長 諸新
新藤 伸夫75 元高校教諭 諸新
竹本 秀之68 投資家   無新
桜井  誠52 政治団体党首諸新
ドクター・中松96 発明家   無新
安野 貴博33 IT会社代表無新
清水 国明73 タレント  諸新
AIメイヤー51 会社社長  諸新
桑原真理子50 IT会社員 諸新
後藤 輝樹41 政治団体代表諸新
河合 悠祐43 元草加市議 諸新
福本 繁幸57 会社社長  無新
黒川 敦彦45 政治団体代表諸新
桑島 康文62 医師    諸新
蓮   舫56 前参院議員 無新
内藤 久遠67 元陸上自衛官無新
内野 愛里31 飲食店経営 諸新
石丸 幸人51 弁護士   諸新
尾関 亜弓43 サロン経営 諸新
小松  賢36 IT会社経営諸新
加賀田卓志47 会社社長  諸新
福永 活也43 弁護士   諸新
犬伏 宏明48 会社社長  諸新
武内  隆61 会社員   諸新
遠藤 信一59 元宇都宮市議諸新
上楽 宗之45 会社社長  諸新
二宮 大造53 運転手   諸新
中江 友哉32 政治団体役員諸新
舟橋 夢人58 IT会社員 諸新
山田 信一53 投資家   諸新
加藤 英明65 会社代表  諸新
草尾  敦55 会社役員  諸新
津村 大作50 会社社長  諸新
横山  緑46 コメディアン諸新
前田 太一38 元警察官  諸新
南  俊輔39 アルバイト 諸新
福原志瑠美41 会社社長  諸新
木村 嘉孝49 IT会社員 諸新
三輪 陽一42 元航空自衛官諸新
松尾 芳治46 自営業   諸新
穂刈  仁57 広告業   無新
小林  弘49 建設会社社長無新
加藤健一郎74 医師    無新

東京都知事選スタート 過去最多の立候補者数で手続きに時間 ポスター掲示板拡張も(2024年6月20日『東京新聞』)
 
東京都知事選が20日に告示され、17日間の選挙戦がスタートした。午後2時20分までに56人が立候補を届け出た。2020年の22人を超えて、大幅に過去最多を更新した。
選挙管理委員会は事前に用意していた48人分のポスターを貼る掲示板のスペースが足りなくなったため、49番目以降の候補者に画びょうや台紙などを支給し、個別に増設するよう要請する。
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午前8時半から始まった選管への届け出作業も混乱し、街頭での第一声が当初の予定より遅れる候補者も相次いだ。(東京都知事選取材班)
蓮舫さん陣営「一刻も早く」
立憲民主党を離党した前参院議員の蓮舫さん(56)の届け出は大幅にずれ込んだ。午前10時50分すぎ、都庁で受付を終えた陣営スタッフは、バイクで第一声の場所に向かうために、ヘルメットをかぶったまま待ち構えていた別のスタッフに選挙運動用ビラに貼る証紙や「選挙の7つ道具」を急いで渡した。
スタッフの1人は「一刻も早く届けるための作戦だった」と話した。別のスタッフは「候補者が多いのでしょうがない。こればっかりはくじなんで」。
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支持を訴える蓮舫さん=午前11時12分、中野区で
 
予定より30分ほど遅れて第一声を行った蓮舫さんは「私は現職に戦いを挑む。私がリーダーとなって、東京を変えたい」と語った。
◆田母神さん陣営「信じられない」
さらに元航空幕僚長田母神俊雄さん(75)も、午前10時半に予定していた出陣式が遅れた。陣営のスタッフは選管の手続きについて「ありえないくらい時間がかかった。信じられない」。
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支持を訴える田母神俊雄さん=午後1時4分、新宿区で
◆清水さん「災害対策が第一」
タレントの清水国明さん(73)も第一声が予定より遅れた。千代田区での第一声では「都民の命を救うための災害対策を第一にして闘う。51年間芸能界でやってきて、34年は都のいろんな問題を取材してきた」と経験をアピールした。
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有権者に支持を訴える清水国明さん=午前11時24分、千代田区で 
◆小池さん「世界で一番の都市を」
一方、午前10時半ごろ、3選を目指す現職の小池百合子さん(71)は、新宿区の選挙事務所で開かれた出発式に登場。イメージカラーの緑色の半袖ジャケット姿でマイクを握り、30人の支援者を前に「東京大改革3.0の実現で世界で一番の都市を確立する」と力を込めた。
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出陣式で意気込みを語る小池百合子さん=午前10時45分、新宿区で
応援弁士の演説はなく、出発式は10分ほどで終了。子育て世代の女性ら支援者から応援のメッセージボードを受け取り記念撮影をすると、公務のため都庁に向かった。
◆石丸さん「若すぎるなんてことない」
同じく午前10時半ごろに新宿区で第一声に立った前広島県安芸高田市長の石丸伸二さん(41)は「今世界に目を転じれば、若い世界各国のリーダーが生まれている。皆さん全員が知っているナポレオンが皇帝になったのは30代。決してこの年齢は何かを始める、何かを変える、何かを動かすに際して若すぎるなんてことはない」と支援を求めた。
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支持者らと握手する石丸伸二さん(左)=午前10時42分、新宿区で
◆安野さん「誰も取り残さない」
人工知能(AI)エンジニアの安野貴博さん(33)は第一声で「今回の選挙で、私が訴えたいことはただ一つ。テクノロジーで誰も取り残さない東京をつくること。そのために暮らし、経済、政治、それぞれをアップデートする」と話した。
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都知事選の街頭演説をする安野貴博さん=午前11時7分、渋谷区で

東京都知事選の立候補者一覧(6月20日15時時点)(2024年6月20日『東京新聞』)
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