自民の身内から怒号「国民なめるな」「ふざけるな」 「裏金」巡り岸田首相の姿勢批判 神奈川で車座対話(2024年5月22日『東京新聞』)

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、党幹部が都道府県組織を回って意見を聞く「政治刷新車座対話」が21日、横浜市中区で開かれた。参加した県連幹部や党員の代表ら50人は、政治資金の使途透明化に後ろ向きな岸田文雄首相(党総裁)の姿勢を痛烈に批判。「国民をなめるな」「アホらしくて怒る気にもならない」などと激しい言葉が飛び交う異例の展開になった。
 
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自民党が開いた「車座対話」=横浜市中区で
 会合には党政治刷新本部の平井卓也副本部長らが出席した。党への逆風をもたらしている政治資金問題に関する発言が相次ぎ、横浜市連の山下正人幹事長は「使途を明確にできないなら、個人の所得として税金を払うべきだ」とする党員の声を紹介。「地方議員は政務活動費の使途を1円単位で報告している」という声や、党の政治資金規正法改正案に関して「中途半端(な内容)で非常に残念。受け入れられない」などの批判も出た。川崎市連の嶋崎嘉夫会長は、党員から寄せられた意見として「誰一人として責任を取らず、まともに調査もしていない」と述べた。
 厳しい意見が相次いだが、平井氏からは「野党にも政治資金の不記載がある」と、責任転嫁とも受け取れる発言が飛び出し、県連側は「危機感が足りない」「野党の話は聞いていない」と猛反発。平口洋・党広報本部副本部長が「今日は本会議を休んできている」と説明したのに対し、参加者が「そんなこと知らねぇよ」「ふざけるな」と声を荒らげる一幕もあった。
 県連によると、車座対話を報道陣に公開するのは珍しい。3月に県内で開催するよう党本部に提案したが、実現するまで2カ月かかったことについて、梅沢裕之県連幹事長は「この遅さはどうかと思う」と苦言を呈した。(志村彰太)