浅草神社の三社祭 びんざさら舞奉納 盛り上げムード 神輿渡御へ組み立て進む(2024年5月18日『東京新聞』)

 浅草神社(東京都台東区)の三社祭が17日始まった。初日は午後1時から、笛や太鼓でお囃子(はやし)を演奏する男女が乗った屋台やはんてん姿の男性たちが作業唄「木遣(きや)り」を歌いながら神社周辺を練り歩く大行列があり、びんざさら舞も奉納された。19日夜まで、浅草の町が祭り一色に染まる。(鈴木里奈、小形佳奈)
 
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浅草神社の神楽殿で奉納された「びんざさら舞」
 
 都無形民俗文化財の田楽、びんざさら舞は社殿と神楽殿で奉納。木の板を連ねた楽器「びんざさら」でシャラシャラと音を鳴らし、種まきや田に集まる鳥の動きなどを表現。商売繁盛や子孫繁栄への祈りを込めた。
 熱心に写真を撮っていた香港出身で大阪から訪れたジェシー・フーさん(31)は「荘厳な雰囲気で、音楽を聴いたら心が静かになった」と感動していた。
 
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神輿を組み立てる仲見世町会の人たち
 
 44町会の神輿(みこし)が練り歩く18日の町内神輿連合渡御(とぎょ)に向け、神輿を組み立てる様子があちこちで見られた。仲見世町会担当の鳶(とび)頭、小村方仁(ひとし)さん(51)は「事故やけがなく、みなさんに楽しんでもらえるように」と願いながら作業した。
 祭りに興味を持ってもらう取り組みも。聖天(しょうてん)町会では、待乳山(まつちやま)聖天公園(浅草7)に設けた神酒(みき)所の近くで、過去の祭りの様子を収めた写真を19日まで掲示している。
 
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掲示された写真を見る人たち=いずれも台東区浅草で
 新型コロナウイルス禍で祭りが縮小された2022年、本来の熱気を伝えたいと氏子らに提供を呼びかけ、約300枚が集まった。今年はこのうち、昭和20年代の神酒所、都電の線路の上を練り歩く神輿などを写した20枚を紹介する。
 町会広報部の担当者は「写真は、浅草という町のエネルギーを感じるものばかり。時代と共に変わりゆく町並みも楽しんで」と来場を呼びかけている。