剣劇や舞踊ショーも…子どもたちが大衆演劇に挑戦 浅草の舞台は「お客さんと近くて面白かった」(2024年5月5日『東京新聞』)

<子どものあした>
 東京・浅草で子どもたちが、時代劇と踊りのショーを演じる「大衆演劇」にチャレンジしました。未来の俳優を見つけ出して演劇を広める「あさくさ新時代PROJECT」という取り組みです。3日、小学1年から中学3年の23人が、木馬館大衆劇場の舞台に立ちました。
 ほとんどの子がオーディションで選ばれ、劇やミュージカルの経験はあっても、大衆演劇は初めて。春休みから9回のけいこを積んで、昔話「桃太郎」にミュージカルを組み合わせた芝居を演じました。
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剣舞を披露する子どもたち=3日、東京都台東区浅草木馬館で(市川和宏撮影)
 桃太郎を演じた小学6年川嶋美緒さん(12)は刀で戦う「立ち回り」に初挑戦。「最初はやれるかなと不安だったけど、家でも練習してなんとかできた」と満足そう。いちばん前の席と舞台との間は、1メートルもありません。猿役の中学1年高梨元秀さん(12)は「お客さんと近くて、反応が見えるのがおもしろい」と言いました。
 俳優の両親と一緒に全国を旅して舞台に立つ子もいます。小学6年の美波さん(11)は、1カ月ごとに転校の繰り返し。同い年の子たちと仲良くなることが少ないそうです。今回の舞台で「みんなすごくうまい」と驚いていました。
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舞踊ショーで踊る子どもたち
 公演を開いた団体の篠原正浩さん(42)は「大衆演劇は時代に合わせて変わっています。子どもたちにも親しみやすくなっているのでは」と話しました。今年のうちにもう一度、小中学生の公演を開く予定です。(小形佳奈)
大衆演劇(たいしゅうえんげき) 刀で戦う剣劇シーンを取り入れた笑いあり、涙ありの時代劇と、日本舞踊
が中心のショーを演じます。全国に約100の劇団があり、専用の劇場や地方の温泉地、ホテル、健康ランドなどを巡って公演を開きます。梅沢富美男さんや早乙女太一さんといった、テレビや映画で活躍する俳優さんも、大衆演劇を演じています