“威圧的言動”問題の長谷川岳・参院議員を直撃!東京まで出向かせる“面通し”の証言、夕方「明日の朝9時に来て」の急な出張指示など「基本、ないですね。表現方法は極めて無自覚、全面的に変えていく」(2024年4月13日)

 “威圧的な言動”が問題になっている自民党長谷川岳参議院議員について、新たな証言です。北海道内の、ある自治体では、役職についた職員が東京都の長谷川氏を直接訪ね、挨拶を強いられる「面通し」という習慣があることがわかりました。

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 北海道内の、ある自治体の職員によりますと、関係するプロジェクトの説明のため、東京都まで出向いたのに対し、長谷川氏は「うるさいな、なんかイラつくな、なんで、こんなことできないんだ、なんで、こんな資料になってるんだ」と参議院会館で叱責。  さらに、オンライン会議の際、当日説明する必要がない職員に対しても「なんで、アイツがいないんだ、呼べ!」などと呼びつけても、呼びつけられた職員の説明はなし。  また、役職についた職員は一度、東京都まで出向き、長谷川氏に直接挨拶を強いられる“面通し”という習慣があり、この“面通し”を済まさないと、話を聴いてもらえないことになっているということです。

■ある自治体職員の証言

・役職につくと、必ず東京都まで出向いて直接挨拶の“面通し”習慣化

・東京都まで出向いても、1分も会わずに「今日は、いい」の対応も

・いわゆる“出禁”になった職員は、少なくても5人

・すべて長谷川氏のペースで、物事が進まない

自治体のトップ、幹部は、これまで“黙認”

 長谷川氏をめぐっては、航空機の客室乗務員、北海道や札幌市の職員に対する“威圧的言動”などが報じられ、予算成立時の過剰な対応、出張などの妥当性も論議になっています。

■予算成立時の北海道の対応

・「計画推進課」が各部署に御礼するよう、何度も連絡

・部長職は上空の機内でも、Wi‐Fiが使える場合は成立時に即

・Wi‐Fiが使えない場合は、空港到着時に即

■北海道幹部4人の出張

・去年1年間で60回以上、費用は約550万円

・約2割は長谷川氏だけに会うため

・会議に出席するよう言われて行っても、本人不在ケースあり

・前日の夕方「明日の午前9時に来るように」の急な指示

 こうした自治体職員の新たな証言などについて、本人は、どう受け止めるのか…長谷川氏は12日午前、国会内、さらに議員会館内の事務所で取材に応じ、下記のように説明しました。

Q.北海道、札幌市の職員から“威圧的言動”が相次ぐなどの声については?

「3月24日の報道以来、やはり自分の政治活動における表現方法は極めて無自覚だったと…これは非常に反省をしなければならないと思いました」 「自分の政治信条の中で、特に表現方法というのは最重要項目といたしました」 「そんな形でですね、今、活動しておりますが、やはり自分の表現方法が起因して萎縮するとか、そういうような思いを持った方がいるというのは、非常に私の不徳の致すところで、申し訳ないというふうに思っています」

Q.具体的に思い当たる発言とかいうものは?

「具体的な話はですね、ただ、いつも多分(相手に)地域を見た活動や地域を見た行政姿勢がないときはですね、かなり厳しい言葉を投げかけるというのがやっぱりあったと思います」 「そこはやっぱり、私なりに反省していくところだと思います」

Q.あの時の、あれかな、みたいなことは?

「いや、それはないですね、特に特定の個人をですね、どうだ、こうだではなくて、やっぱり仕事に関して、やっぱり厳しいことを申し上げることがあります」 「どこの部分が仕事として厳しいかっていうと、やっぱり地域、要はやっぱり見た活動かどうかってところで、どうしてもそこはやっぱり熱くなることもありましたので、そこは徹底的に変えていかないといけないと」

Q.出張については、年間60回以上、経費が550万円は多すぎ?

「たぶん、報道自体が違ってまして、63回というのは全国会議員に対する説明を入れた回数」 「私のところ単独には、調べてみると16回ぐらい…」

Q.長谷川議員に会うだけで?

「はい。実際のですね(内容等を)今、調査するって言っていただいてるんで、私はむしろ、そこは大歓迎します」 「私どもの記録の中では、その16回中、4回ぐらいが福島原発の処理水をめぐり、中国が輸入を禁止する。多くの水産加工会社、漁業者が苦境に陥る。年内に相談窓口を設けて、つなぎ融資をしないといけない」 「ところが東京電力は、仙台以北に相談窓口を設けないという方針だったんで、相当やり取りをして、年内にオホーツクの紋別市噴火湾長万部町にそれぞれ相談窓口を置いていただく」 「これは相当、東電、経産省、北海道が入ってやらないといけないんで、そこは、かなりの緊急を要した用した話でした」 「それ以外については基本、政策実現のためにですね、東京で私もこうやってやらせていただいて、例えば挨拶のためだけにどうだ とかですね、そういうことは全く非合理的なことだと思います」 「ですから、原則はこのウェブなり、スマホなり、そしてどうしてもその省庁との打ち合わせが必要な時は、もうこれが最短だと思う時には、やっぱり完璧な形で入れたい。そういうふうな形でやってまいりました」 「札幌市さんとか北海道庁さんの中で、 そこが合理性を持った出張なのかどうかっていうのは、やっぱりまずチェックをいただかないと」 「基本、出張っていうのは、北海道とか札幌市から私どもにはアポイントの依頼が来て初めて受ける話ですからね、そこは、ちょっとご理解いただきたい」 「挨拶のためだけに行ってたんじゃないかとか、そういうことはない。挨拶を求めることは、私たちの方からはありません」 「ただ、新年度、年度末、人事が変わるというときのご挨拶だったら、我々の方からはですね、それをお断りする話でもないし、そこはキチッと合理性を持った形で、それぞれの自治体が判断をしていただく、これは大変、重要だというふうに思います」 「基本的に無駄なことは嫌いですので」

Q.予算成立時のメールについては?

「大量に来てたのは、驚きました。はい。いわゆる、その忖度とか、そういうことがあったんじゃないかというふうに言われるとですね、それは、それぞれの判断であったかもしれませんが、私の先ほどのいわゆるですね、表現方法という部分も含めて、そこがですね、何となくメールを送らなきゃとか、そういうことを含めて、流れになったんであれば、それを私自身も変えていきますし、私自身もそれは求めてる話じゃないですし…しっかりと、そこはまた、あの改善をしていきたいと思いますね」

Q.夕方に「明日の朝に東京まで来て欲しい」は?

「基本ですね、ウチは(北海道などの)東京事務所から出張要請があって、面談要請があって受ける側ですから、多分、9時5時、5時9時の話で調節しません。そういう話は、原則ないと思いますね」 「ただ、先ほど言ったようなですね、処理水の問題とか、極めて緊急性を要する部分でですね、例えば災害とか、緊急な話でどうしても対応しなきゃいけないという話があれば、そこは、そういうふうに北海道との中であるのかもしれませんが、急ぐ必要のない話をですね、午後5時で、午前9時でっていうのは、申し訳ないですが、うちの事務所も、それ、応対し切れません」

Q.そういう、ちょっと無理な要求を長谷川さんの方からしたということは、ない? 「基本、ないですね」

Q.実際、ある打ち合わせ、会議で、長谷川議員が声を荒げているような音声を入手したんですが?

「それに関して、いや、それはあると思いますね 「熱くなるタイプですので、 どうしてもやっぱり地域、その方針がやっぱりその地域に根ざしてないとか、あるいはどうしても、ここまでやらないといけないスピード感の中で、どうしても国と調整の中で追いついてないとか、そういうところについてはですね、やはり追いつくように話をしますし…」 「でも、そこはやっぱり表現方法として変えていくべきことだと。 こういう表現方法はやっぱり避けるべきだと、事務所のスタッフからも厳重に注意をされました。そこで初めてですね、3月24日以降、お恥ずかしいんですが、やっぱりスピード感と、そういう政策の活動を基本に、表現の丁寧さっていうのは最優先事項だと思って入れさせていただきました。そこはもう、徹底します」

Q.自治体の職員に“出禁”を言い渡すなどは?

「資料がないとか、資料ができてないとか、会議に来る以前の話で、できてない場合は、会議に来なくていいですよと言いますが、基本的に何かこの人嫌いだからとか、セレクトするような話ではないと思いますので、それは具体的にどこのどういう状況で、どういう話なのかそこはわかりませんが、基本その政策の中でですね、お会いする予定が、面談する予定が、この資料と、この資料と、この資料と、これが必要だという会議にそれがない場合はですね、それはお断りすることはあります、はい」 「ただ、相手からね、これ本当に取り方もありますので、本当にそこは注意していかないといけないというふうに思います」

 ちなみに予算成立時、札幌市の職員からのメールは「一通もありません」と苦笑いも見せた長谷川氏…  国会内でも取材に応じ「表現方法に無自覚であったことを非常に恥じています。全面的に自分自身の表現方法を変え、変えてゆく」とし、議員辞職については「当然ながら、地域活動を全身全霊で、地域のために活動してまいります」と、その考えがないことを強調しました。  

北海道放送(株)