小林製薬「紅麹」問題 厚生労働省が専門家による調査会開催へ(2024年3月28日『NHKニュース』)

厚生労働省 専門家による調査会開催へ

厚生労働省は28日午後5時から、医師や、栄養学、薬学などに詳しい専門家を集めた調査会を開いて、大阪市の回収命令の対象となった製品について、小林製薬の担当者から説明を受けた上で、これまで回収命令の対象になっていない小林製薬の紅麹を原料とする製品への対応などについて、専門家から意見を聞くことにしています。

厚生労働省は専門家の意見も踏まえて、今後の対応を検討することにしています。

 

小林製薬の「紅麹」の成分が含まれた健康食品をめぐっては、摂取したあとに腎臓の病気を発症するなどして27日までに2人が死亡、106人が入院したことがわかっていました。

会社は新たに「紅麹コレステヘルプ」を摂取していた2人が亡くなったと遺族から連絡があったことを28日に発表しました。

会社によりますと、摂取していた時期は1人は2021年ごろ、もう1人は2022年初めごろと連絡があったということです。

「想定しない成分が入っていた可能性がある」とする製品が製造されたのは、去年4月から12月までで、時期が異なりますが、会社は「原因となった疑いがある」として調査を進めています。

この問題では、大阪市が27日「紅麹コレステヘルプ」など3種類の製品について、食品衛生法に基づき回収を命じる行政処分を出すとともに、製品に使われているものと同じ紅麹原料が取引先の52社に供給されていたことから、流通経路の特定に向けた調査を進めています。

これで製品を摂取した後に死亡したことが分かった人は4人となりました。

10:00

小林製薬株主総会 大阪で始まる 

小林製薬株主総会が午前10時から大阪・北区のホテルで始まりました。株主総会は非公開で行われていますが、小林章浩社長が今回の問題への対応について株主に説明しているとみられます。

また総会では、会社側が小林社長を含む7人の取締役の選任議案などを提出していて、審議が行われる見通しです。

 

注目

小林章浩社長が株主総会の冒頭で謝罪

小林製薬は、非公開で行われている株主総会の冒頭で小林章浩社長が発言した内容を明らかにしました。それによりますと、はじめに「当社が販売しておりました機能性表示食品『紅麹コレステヘルプ』などを摂取された方において腎疾患等が発生し、多大なるご迷惑をおかけしておりますことを深くおわび申し上げます」と謝罪したということです。

このあと、株主に問題の経緯を説明し「お亡くなりになったお客様のご冥福をお祈りし、ご遺族の皆様に衷心よりお悔やみ申し上げます。また、健康被害にあわれた方の一刻も早い回復をお祈り申し上げます」と述べたということです。

そして、大阪市による行政処分などについて説明した上で「健康被害にあわれた方への対応、お客様、取引先への対応を真摯に行うとともにこれ以上の被害拡大防止と原因究明に、全社をあげて、全力をあげて取り組んでまいります。あらためて深くおわび申し上げます。このたびは申し訳ございませんでした」と述べたということです。

総会を前に株主からは説明求める声 相次ぐ

60代の株主は「会社が上場したときから株主で、信頼していたのに人の命に関わる問題が起きてショックです。原因をどのように調べて、いつごろ判明するのかが会社側に一番聞きたいことです」と話していました。

また70代の株主は「製品を回収するまでの対応が遅く、経営側の問題だと感じています。社長がいつ知ったのか、どのように思っているのかを聞きたいです」と話していました。

30代の株主は「製品と健康被害についての関係性が分かっている訳ではありませんが、こうした事態になっていることに対して株主としては怒りや悲しみを感じます。会社には丁寧な対応をしてほしいです」と話していました。

 

厚生労働省 専門家による調査会開催へ

厚生労働省は28日午後5時から、医師や、栄養学、薬学などに詳しい専門家を集めた調査会を開いて、大阪市の回収命令の対象となった製品について、小林製薬の担当者から説明を受けた上で、これまで回収命令の対象になっていない小林製薬の紅麹を原料とする製品への対応などについて、専門家から意見を聞くことにしています。

厚生労働省は専門家の意見も踏まえて、今後の対応を検討することにしています。