小池百合子都知事「次の一手」は東京15区か都知事選か…野党は3選出馬見越し対立候補選定中(2024年3月17日『日刊スポーツ』)

中山知子の取材備忘録

◆中山知子(なかやま・ともこ) 1992年に日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。小泉純一郎首相の北朝鮮訪問に2度同行取材。文化社会部記者&デスク、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスクを経て、社会/地域情報部記者。福岡県出身。青学大卒。

今年の第1回都議会初日、施政方針を述べる小池百合子都知事(2024年2月20日撮影)
今年の第1回都議会初日、施政方針を述べる小池百合子都知事(2024年2月20日撮影)

時に、政権の命運を握るともいわれる補欠選挙が来月、衆院の3つの選挙区(東京15区、島根1区、長崎3区)で行われることが正式に決まった(4月16日告示、28日投開票)。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件の発覚後、初の国政選挙。結果は岸田文雄首相の政権運営に直結する。保守王国の島根は細田博之衆院議長の死去に伴うもので、長崎は裏金事件で略式命令となり、有罪が確定した谷川弥一氏の辞職に伴うもの。裏金問題に加え、同区は次期衆院選から新2区と新3区に再編されることもあり、自民党の候補擁立は難航しているといわれる。

そして自民党が今問われている「政治とカネ」の側面からも、その内容のひどさの側面からも、最も注目されているのが東京15区だ。わずか1年前の東京都江東区長選をめぐる公選法違反事件で逮捕、起訴された自民党柿沢未途元法務副大臣の辞職に伴う。当事者の自民党は独自候補は無理ではないか、著名人に白羽の矢を立てたのではないかなどの声が聞かれるが、告示まで1カ月を切っても候補者は決まらない。

鍵を握るのは、東京都の小池百合子知事(71)だ。

昨今の永田町は、小池氏が知事を電撃辞職してこの東京15区補選に出馬するのではないかという「疑心暗鬼」に陥っている。昨年末の出直し区長選で、小池氏の「右腕」的な立場といえる元東京都幹部の大久保朋果氏(52)が初当選。「小池系」の大久保氏に、独自候補擁立を断念した自民党などがすがるような形で相乗りし、勝利した。

側近が区政に携わるそんな経緯もあってか、地元関係者に話を聞くと、小池氏にとって今の江東区は、かつての地盤旧東京10区、都庁がある新宿に続く「第3のおひざ元」との指摘もあるほど。だからこそ、出馬の臆測がやまないという。

小池氏は今年7月7日投開票の知事選に3期目を目指して出馬するのが「既定路線」とみられているが、小池氏自身が「都政にまい進する」とけむに巻いたままで、補選への臆測だけが先行。前回2020年の都知事選前も再選出馬に関する質問には同じフレーズを口にしており、「どこか思わせぶりな小池流」(都政関係者)の一環ではあるのだが。

中山知子の取材備忘録
◆中山知子(なかやま・ともこ) 1992年に日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。小泉純一郎首相の北朝鮮訪問に2度同行取材。文化社会部記者&デスク、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスクを経て、社会/地域情報部記者。福岡県出身。青学大卒。

2024年3月17日11時0分
小池百合子都知事次の一手」は東京15区か都知事選か…野党は3選出馬見越し対立候補選定中
今年の第1回都議会初日、施政方針を述べる小池百合子都知事(2024年2月20日撮影)
今年の第1回都議会初日、施政方針を述べる小池百合子都知事(2024年2月20日撮影)
時に、政権の命運を握るともいわれる補欠選挙が来月、衆院の3つの選挙区(東京15区、島根1区、長崎3区)で行われることが正式に決まった(4月16日告示、28日投開票)。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件の発覚後、初の国政選挙。結果は岸田文雄首相の政権運営に直結する。保守王国の島根は細田博之衆院議長の死去に伴うもので、長崎は裏金事件で略式命令となり、有罪が確定した谷川弥一氏の辞職に伴うもの。裏金問題に加え、同区は次期衆院選から新2区と新3区に再編されることもあり、自民党の候補擁立は難航しているといわれる。

そして自民党が今問われている「政治とカネ」の側面からも、その内容のひどさの側面からも、最も注目されているのが東京15区だ。わずか1年前の東京都江東区長選をめぐる公選法違反事件で逮捕、起訴された自民党柿沢未途元法務副大臣の辞職に伴う。当事者の自民党は独自候補は無理ではないか、著名人に白羽の矢を立てたのではないかなどの声が聞かれるが、告示まで1カ月を切っても候補者は決まらない。

鍵を握るのは、東京都の小池百合子知事(71)だ。

昨今の永田町は、小池氏が知事を電撃辞職してこの東京15区補選に出馬するのではないかという「疑心暗鬼」に陥っている。昨年末の出直し区長選で、小池氏の「右腕」的な立場といえる元東京都幹部の大久保朋果氏(52)が初当選。「小池系」の大久保氏に、独自候補擁立を断念した自民党などがすがるような形で相乗りし、勝利した。

側近が区政に携わるそんな経緯もあってか、地元関係者に話を聞くと、小池氏にとって今の江東区は、かつての地盤旧東京10区、都庁がある新宿に続く「第3のおひざ元」との指摘もあるほど。だからこそ、出馬の臆測がやまないという。

小池氏は今年7月7日投開票の知事選に3期目を目指して出馬するのが「既定路線」とみられているが、小池氏自身が「都政にまい進する」とけむに巻いたままで、補選への臆測だけが先行。前回2020年の都知事選前も再選出馬に関する質問には同じフレーズを口にしており、「どこか思わせぶりな小池流」(都政関係者)の一環ではあるのだが。