立憲民主党の中谷一馬衆院議員は16日の衆院内閣委員会で、確定申告書に「不明」とだけ記入して作業を終えたとするX(旧ツイッター)の投稿を挙げて「大変反響を呼んでいる。実際にどのような問題が発生するのか」と政府側に尋ねた。
国民の税に対する見方が厳しくなる確定申告の開始を踏まえ、自民党議員に相次ぐ政治資金収支報告書への不記載分への納税が見過ごされる状況を皮肉った形だ。
問題の投稿は、福山のつば九郎さんという投稿主が、「現在の住所」「収入金額等」「所得金額等」「税金の計算」などの記載欄に「不明」とだけ書いた確定申告書をXに投稿し、「やった~‼ 終わった~‼ 今回の確定申告、ほぼ不明で税金ゼロ!」と書き込んだ。
10日午後3時に投稿され、16日午後3時時点で「いいね」が約4.5万ついている。 中谷氏の質問に対し、国税庁の担当者は「一般論として収入金額などに不明と記載された申告書が提出された場合、税務署が納税者に対し電話や文書で、内容の確認や見直しの依頼をしてもらうことがある」と答弁した。
中谷氏は「要するに国民には厳しく対応するということだ」と述べ、「『今年は不明でもOKにしてほしい』『何か言われても記憶にないといえば大丈夫』『使途不明でも経費で落ちるとは本当ですか』と本来模範となるべき政治家の行動に対し不公平感が広がっている」と指摘した。
中谷氏は「政治不信を払しょくするためには行動が重要だ。使途不明の裏金を作った人は納税した方がいい。党内で検討しているとの報道もある」とも強調したが、林芳正官房長官は「党の対応に関わるのでお答えは控えたい」と述べるにとどめた。(奥原慎平)