更迭は?
2021年の衆院選で旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の友好団体から推薦状を受け取り、選挙支援を受けていたことを朝日新聞に報じられた盛山正仁文科相(70)。通常国会で野党側から、友好団体の関係者と共に収まる写真や選挙支援にあたって関係者と「ハグした」事実について問われ、「記憶にない」「ハグをした覚えはない」と繰り返している。
【写真を見る】「ハグ大臣」の妻は「大物議員の娘」 事務所の実権を握るのは奥さんだという評判も
今回の報道の背景、そして盛山文科相の今後についてお伝えする。
「野党側は盛山文科相を更迭なり辞任なりに追い込みたい算段ですが、岸田官邸は今のところ全くそのつもりはないようです。旧統一教会そのものではなく、“友好団体”との関係であるというのがポイントのようです。“盛山さんを辞めさせるとなると、もう誰も残らないよ、ちょっと大げさだけど”というのが官邸内の偽らざる本音。“旧統一教会の関連団体の関係者”まで含めた接点となると、それらが全くない国会議員を探す方が難しいという認識なのでしょうね」と、政治部デスク。
選挙に強くないオジサン
言うまでもなく、文科相は解散命令請求を申請した側で、旧統一教会はされた側。友好・関連団体であっても繋がりがあるようなら国民に疑念を持たれるのは当然で、丁寧な説明が必要だろう。 「岸田首相自身、盛山氏が現在追及されている問題については文科相に任命する前から把握していたことでした。盛山氏自身も“問題ナシ”との認識だったようです」(同)
岸田首相や盛山氏の見解はともかく、国民がどう捉えるのかということに収れんしていくことになるのだろう。
「盛山氏は永田町でも知られた存在ではなく、私自身、“選挙に強くないオジサン”くらいの認識でした(笑)。今回のことがきっかけで聞こえてきた評判としては、あまり芳しいものはありませんでした。あまり頭を下げられないとか、横柄だとか、人格を指摘するようなものが多かったですね。“付き合いは選挙のときだけ。冷たいもんだよ”という声もあって、今回のような内部告発がなくてもこれまでの振舞いをアレコレ指摘されるようなタイプなのかもしれません」(同)
タムゲンの娘でございます
盛山氏は灘中・灘高→東大法学部→旧運輸省という経歴の持ち主。国交省の部長を辞職して2005年の衆院選に自民党公認で兵庫1区から出馬した。“タムゲン”の愛称で親しまれた田村元・元衆院議長の長女と結婚し、田村氏の地盤を引き継いだ格好だ。今日までに当選5回を誇る。
「事務所は盛山氏の妻が取り仕切っており、その口癖は“タムゲンの娘でございます”。元キャリアのエリートでプライドが高くてなかなか有権者と交遊できない夫をおもんぱかって、“亡き偉大な父”に依存した選挙活動を展開し続けているということなのかもしれません。今となっては時代遅れな言い方ではありますが、内助の功という言葉が浮かびますね。ただ、その“タムゲン~”のウケがサッパリだそうです。というのも、田村氏の現役時代を知る人がどんどん減っていることに加え、妻自身の態度に居丈高な印象があるとの指摘も結構ありました」(同) 普段は地元を離れて活動する国会議員にとって、配偶者の存在は重要な意味を持つ。
山崎拓元幹事長の失墜
地元の妻ら家族が有権者の心を掴んでいるというケースは珍しくない。 「挙げればキリがないですが、例えば自民党の山崎拓元幹事長は尊大なタイプで知られ、地元・福岡での選挙は妻や娘に任せきりだったと聞いています。“山拓だけだったらとっくに愛想をつかされてるよ”という声もある中で、長年、内助の功で妻や娘が地元を切り盛りしてきたわけです。
もっとも、2003年に山拓氏の愛人スキャンダル報道が明るみに出た後には、妻や娘で手を取り合って懸命に支持を訴えたものの、さすがに性的嗜好などに踏み込んだ報道の強度には勝てず、落選しました」(同)
現状、盛山氏自身は“友好団体”からの選挙協力などを否定している。しかし選挙に強くない立場としては、政治活動をほとんど無償でサポートしてくれる存在は喉から手が出るほどありがたいに違いない。それゆえに”関係“への疑いの目が向けられやすいという面はあるだろう。
デイリー新潮編集部