与野党の党首らは19日のNHK番組「日曜討論」で24日召集の通常国会の焦点の一つ、選択的夫婦別姓について意見を交わした。石破茂首相(自民党総裁)は「濃密な議論を早急にやる」と述べ、党の見解を早期にまとめる必要性を強調した。日本維新の会の吉村洋文代表は旧姓の通称使用の法制度化を優先すべきとした。立憲民主、国民民主、共産、れいわ新選組、社民の各党は導入に積極姿勢を示し、参政党は反対姿勢を示した。
公明・斎藤氏「社会の根幹に関わる」
首相は「濃密な議論を早急にやって、わが党としては『こうなのだ』を決める。あまり時間は残っていない」と述べた。公明党と考えをすり合わせる必要性に言及し、「選択的夫婦別姓を導入する場合、メリットとデメリットを確認したい」と課題を洗い出す考えを示した。
公明の斉藤鉄夫代表は、導入に前向きな姿勢を示し、「きょうだいの姓をどうするのか、戸籍法の大改正を伴うのをどのように進めていくのか、細部を詰めないといけない」と語った。「社会の根幹にかかわる制度は与党がまず案をまとめ、野党と真摯(しんし)に議論していくのが順番だ」と、与党が議論を主導すべきとの考えを示した。
立民・野田氏「決着をつける」
立民の野田佳彦代表は、法相の諮問機関である法制審議会が平成8年に選択的夫婦別姓制度の導入を答申したことを挙げて、「このテーマは30年越しの課題になっている。決着をつけるために(立民の西村智奈美前代表代行を起用した衆院)法務委員長も確保した」と述べた。
子供の姓の選択に関しては「きょうだいでどうのがあるが、家族で決めればいいことで、政府が決めることではない。そういうことも含めて選択的であるべきだ」と指摘した。
維新の吉村氏は「旧姓を使いたい場合は、それが開かれている社会にすべきだ」と述べ、「同一戸籍・同一氏の原則を維持し、旧姓に法的拘束力を認めるやり方が現実的だ」と語った。
国民・古川氏「掲げた公約は重い」
れいわ・舩後氏「自民はもったいぶるな」
れいわの舩後靖彦副代表も「国民世論は賛成多数で、私たちも賛成している。障壁はたったひとつ、自民党が反対していることだ。自民が決めれば3日でできる。もったいぶらずに、さっさとやるよう求めていく」と述べた。
事前収録されたインタビューで、参政党の神谷宗幣代表は選択的夫婦別姓の導入に「反対だ。世界の潮流に合わせて国民に判断してもらう議論をやっていく」と語った。一方、社民党の福島瑞穂党首は「与党が過半数割れしてチャンス。自民党の反対で今までできなかった選択的夫婦別姓を実現する」と強調した。