AIが手話を文字に変換「シュアトーク」福岡県庁で実証実験…来庁者の利用で多くの人の動作を学習させる(2025年1月9日『読売新聞』)

「シュアトーク」を体験する服部知事。手前のパソコンに文字が表示される

「シュアトーク」を体験する服部知事。手前のパソコンに文字が表示される

 人工知能(AI)が手話を文字に変換し、手話を知らない人ともスムーズに会話ができるソフトバンクの「Sure Talk(シュアトーク)」の実証実験が福岡県庁で行われている。10月末まで、県庁の総合案内窓口と県障がい者更生相談所(福岡県春日市)に設置し、来庁者に利用してもらうことでAIに学習させていくという。

 シュアトークは2017年に同社と電気通信大が共同開発を始めた。端末のカメラに向かって手話をすると、AIが動作を解析。登録されている手話データから、最も近い動作を意味する日本語を推定し、画面上に文字で表示する。音声も読み込むため、画面のチャット機能で会話ができる。

 ただ、手や指の角度など手話の動作は個人によって異なり、「お手本」通りにはいかないという。精度を上げるためには、より多くの人の手話動作をAIに学ばせる必要があり、今回、県が協力することになった。都道府県での実証は東京都、鳥取県に続く3か所目という。

 実証が始まった先月上旬には、服部知事が県庁でシュアトークの体験を行った。ソフトバンクの柏木陸照・法人統括公共事業推進本部長は「AIを活用して、聞こえない声を聞いていくサービス。行政と一緒に育てていきたい」と話していた。