大学受験が目前に迫る中、突然の閉鎖となった予備校の「ニチガク」。別の予備校から受験生を支援しようとする動きが出ています。
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“渦中”の大学受験予備校、東京・新宿区の「ニチガク」。7日は看板の明かりはついたままでしたが、教室の中は真っ暗で人の姿は確認できませんでした。
6日には多くの受講者が殺到しました。ただ、目的は勉強ではなく…
高校2年生
「荷物を取りに来ました」
高校1年生
「荷物取りに。私物、電子辞書とか取りに来ました」
大学入学共通テストまであと2週間という時期に、予備校「ニチガク」は突如、閉鎖。教室が使えなくなったのです。代理人弁護士によると、生徒数の減少などから資金難に陥り、年末時点で破綻したという「ニチガク」の運営会社。弁護士には去年の10月ごろすでに、ニチガク側から相談があったことがわかりました。
ただ、受講者の中には、弁護士への相談後の時期に通い始めたという人もいます。
日テレNEWS NNN
12月から通い始める 高校2年生
「まだ通い始めて1か月だったんですよ。僕の場合は250万円ちょっと(一括で払った)。塾長とかも、つぶれることを知らないで進めてきたかわからないですけど、不信感が募っています」
受験生たちにとって何よりも重要な“勉強場所”。ニチガクには7日にも受験生の姿がありました。
高校3年生
「11日後に共通テストなので、それに向けて勉強してたんですけど。家だとゲームとか誘惑に負けちゃって(勉強)できないので、自習室に行こうと思って見てみたら、しまってた」
親に相談し、別の自習室を契約したということです。
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人生の大勝負を前に、受験生たちに立ちふさがった予期せぬ試練。そこに“支援”の輪が広がっています。
日テレNEWS NNN
慧修会 奥平禎会長
「なんとか少しでも助けたいと、いくつかご提案させていただいた」
「ニチガク」と同じ新宿区にある別の予備校が、今回の報道を知り、自習室の開放や学習相談などを無料で行うことを決めました。
慧修会 奥平禎会長
「支えになる人がいなくなるというところもあると思う。その代わりにはなれないかもしれないですけど、できる限りその子が求める部分の穴埋めができれば」
ともに戦う受験生は、今回の事態に…
慧修会に通う受験生
「塾と受験生って二人三脚で合格をつかみ取っていくと思う。(ニチガクの生徒は)かわいそうだけど頑張ってほしいなと」
日テレNEWS NNN
慧修会に通う受験生
「(自分なら)今年終わったかなって思っちゃうかもしれない。同じ受験生として助け合っていきたい」
慧修会に通う受験生
「本当に…自分の人生が大きく変わっちゃうと思います。一緒に頑張ろうって言いたい」
受験シーズン真っただ中に突如、閉鎖となった「ニチガク」。代表は、弁護士を通じて次のようにコメントしました。
ニチガクの代表
「結果的に突然の閉鎖という事態になり申し訳ない」
破産手続きは1週間以内には行う予定で、同時に生徒などへの返金手続きも進めていくということです。