トランプ氏の不倫口止め裁判、10日に量刑言い渡し 刑執行は免除か(2025年1月4日『毎日新聞』) 

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不倫の口止め裁判に出廷したトランプ次期米大統領=ニューヨークで2024年4月23日、AP
 米国のトランプ次期大統領が不倫相手への口止め料を不正に処理したとされる事件の裁判で、ニューヨーク州の裁判所は3日、陪審による有罪評決を維持した上で、10日に量刑を言い渡すことを決定した。一方、トランプ氏の大統領就任に配慮し、刑の執行は無条件で免除するのが望ましいとした。

 

 20日に就任式を控え、評決の無効を求めていたトランプ氏の申し立ては退けられた。裁判所は10日の言い渡しには、トランプ氏に対面もしくはオンラインで出廷するよう求めた。
 米国の大統領経験者が初めて刑事責任を問われた裁判で、陪審員は昨年5月、34件の罪状すべてについて有罪と判断した。
 トランプ氏側は大統領選の勝利を受け、評決の無効を要請していたが、裁判を担当するマーチャン判事は3日付の決定で「法の支配を計り知れないかたちで弱体化させる」として退けた。また「被告に控訴の選択肢を確保するため、無条件での(執行)免除の判決が、実行しうる最良の解決策と考えられる」とし、裁判を停止することなく評決から「合理的な期間」に量刑を言い渡すべきだと指摘した。
 米メディアによれば、無条件で執行が免除された場合、有罪は維持されたまま収監はされず、罰金や保護観察などを受けることもない。
 検察側はトランプ氏の当選を受け、2029年1月の大統領任期が終わるまで裁判を凍結する案や、有罪評決を維持したまま量刑言い渡しをせずに裁判を終える案を提示していた。
 トランプ氏の広報担当者は声明で「言い渡しはやめなければならない。トランプ大統領はでっちあげが終わるまで戦い続ける」と主張した。
 トランプ氏が起訴された他の3件の刑事事件のうち、2件の連邦法違反事件については司法省の特別検察官が起訴を取り下げた。【ニューヨーク八田浩輔】