天皇、皇后両陛下の長女、愛子さまは今年、日本赤十字社での勤務ととともに、成年皇族としての公務の機会を増やしてきた。愛子さまはいつも春風のような笑顔で公務に臨んでいるが、実は皇室の公務は段取りや制限が多く、見た目以上に過酷だ。愛子さまの笑顔を支えるのは「無尽蔵な体力」――と話すのは、40年近くにわたって天皇ご一家と親交を深めてきた元日本プロテニス協会理事長の佐藤直子さん。愛子さまが意外なほど「パワフル」なのには、理由があるという。
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天皇陛下や皇族方の公務のスケジュールは、分刻みだ。
■「そのままで結構です」
その30分後に県庁に到着し、ロビーで旗を振って歓迎してくれた地元の園児たちと交流。愛子さまは「午後は何をするの?」と優しく声をかけられていた。
「テレビでは感じることができない足音まで聞こえてきて、感激しました」
と伝えて競技場を出発。スタジアムから20分ほどで、市内の佐賀城本丸歴史館に到着すると休憩をはさみながら、館内の案内を受けられた。
歴史館では、愛子さまが今春から勤務している日赤を創設した佐賀の偉人、佐野常民についての寸劇を、3分40秒のダイジェスト版で披露。寸劇の鑑賞と、その後の出演者との懇談も合わせた10分ほど、愛子さまは立ったままだった。
■宮殿行事では、微動だにせず
公務にあたっては、目的地まで車で移動する時間も、「休憩」とはいかない。歓迎のために沿道に集まってくれた地元の人たちの声援に手を振って応え、笑顔を絶やさない。
宮殿行事でも、裾の長いドレスを着用して長時間、微動だにせず立ちっぱなし、ということも珍しくない。
たとえ寒くても、暑くても、疲れている様子は見せずに公務や祭祀に臨む。そうした状況は、皇室の方々にとっては日常的にあるのだ。
天皇陛下や皇族方が日ごろから運動を欠かさないのは、息抜きやリフレッシュのためだけでなく、体力をつけるためという側面もあると、皇室の事情に詳しい関係者は言う。
■愛子さまのハードな“特訓”
愛子さまの体力を培ったスポーツのひとつに、テニスがある。
愛子さまは今春に大学を卒業し、社会人と公務を両立させている今も、お休みの日などの限られた時間を見つけては運動を続けている。飛んできたボールを最後まで追いかけて、粘り強く打ち返されるのが、愛子さまのスタイルだ。
佐藤さんは、大学の硬式テニス部の監督も務めているが、愛子さまは大学のテニス部と同じぐらいハードに動かれるという。
周囲が暗くなり、ボールが見えるだろうかと心配になるが、ニコッとほほ笑んで元気な声を返される。サーブの練習を希望され、“特訓”が、なかなか終わらないこともあるという。
穏やかな愛子さまのどこにそのような体力が残っているのか。その「若さに」いつも圧倒されると、佐藤さんは楽しそうに振り返る。
「皇室の方々は、ふつうの人ならば表情に出してしまう時でも、ぐっと堪えなければならない場面もおありでしょう」
気持ちのいい汗をかくことでリフレッシュしていただきたい、という思いとともに、目の回るようなスケジュールで公務に臨まれる体力もつけていただければ嬉しい、と佐藤さんは話す
(AERA dot.編集部・永井貴子)