「日本維新の会」新代表に吉村洋文氏選出 大阪府知事など3足の草鞋に 代表選で松沢氏ら破る(2024年12月1日『読売テレビ』)

吉村洋文氏(1日)

日本維新の会の代表選挙の様子 党大会開幕から吉村氏の新代表選出、吉村氏の演説

 日本維新の会は、1日午後4時から臨時の党大会を開き、馬場伸幸氏の後任となる新代表に、大阪府知事の吉村洋文氏を選出しました。

 維新の代表選には、吉村洋文氏のほか、金村龍那衆院議員(比例南関東)、空本誠喜衆院議員(広島4区)、松沢成文参院議員(神奈川選挙区)が立候補していました。

 国会議員と地方議員、一般党員らによる投票の結果、吉村氏が有効投票数の約8割となる8547票を獲得。635票の金村氏、492票の空本氏、1066票の松沢氏を圧倒し、新代表に選出されました。

 吉村氏は、あいさつで「日本維新の会の目標を定めて、みなで共有していく。次世代のためにある政党ということを軸にしていきたい。我々はまだまだ弱小で経験も少ない。その中で国政政党として他党とぶつかっていく」と話しました。

 吉村氏は、午後6時40分から行われた記者会見で、党の共同代表について「前原誠司氏にやっていただきたい」と話したほか、党の3役については「まだ決めていないが、若手にやってもらいたい」と話しました。

 維新は、10月27日に行われた衆院選で、大阪の19の小選挙区は全勝したものの、大阪以外の小選挙区で獲得できたのは4議席にとどまったほか、比例票は前回より約300万票減らし、議席は公示前の44議席から6減の38議席となりました。

 代表選では、来年夏に行われる参院選に向けて、党を立て直すための取り組みなどが主な争点となりました。
 吉村氏は「国政政党としての存在意義が揺らいでいる」として、「次世代のための政党」、「道州制を実現する政党」、「永田町文化を変える政党」の3つを党の目指すべき方向性として掲げていました。

 吉村氏は、2011年に大阪市会議員選挙で初当選を果たし、その後、衆議院議員大阪市長を経て、2019年からは大阪府知事を務めています。11月19日には、「大阪維新の会」の代表選でも再選を果たしていて、大阪府知事、「日本維新の会」代表、「大阪維新の会」代表の3足のわらじを履くことになります。

維新・吉村新体制で野党共闘進むか 波紋広げる「予備選」構想(2024年12月1日『毎日新聞』)


 日本維新の会の臨時党大会が1日、大阪市内で開かれ、馬場伸幸氏の後任となる新代表に吉村洋文大阪府知事(49)が選ばれた。国会で埋没しがちな党勢を立て直し、2025年夏の参院選に向けた体制を構築できるか。吉村氏は野党共闘を重視しており、前体制の与党協調路線に変化が生まれる可能性がある。

共闘実現なら参院選で与党過半数割れ
 吉村氏が代表選の討論会で打ち出し、他の野党に波紋を広げたのが、参院選の「予備選」構想だ。

 改選数1の「1人区」について「(野党同士で)潰し合うよりは、まずは準決勝をやって(与党と)1対1の対決に持ち込むべきだ」と主張。選挙前に野党候補を一本化するための「予備選」を実施する案を掲げた。

 全国に32ある1人区は、参院選の勝敗を左右する。

 10月の衆院選比例代表で各党が得た票数を基に参院選の結果を試算すると、立憲民主、維新、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の6野党が一本化する場合、1人区は野党の「29勝3敗」になる。参院でも与党が過半数割れに追い込まれる可能性が出てくる。

 吉村氏の主張に対し、立憲の野田佳彦代表は11月22日の記者会見で「方向感が一緒だと思うので、よい提言をしていただいている」と歓迎。一本化の方法については「予備選や互いが合意した世論調査とか、いろんなアイデアはある。相手方のトップが決まったら相談していきたい」と前向きに捉えた。

日本維新の会、新代表に吉村洋文氏 得票率8割で競合3氏に圧勝 「飲み食い政治と決別」(2024年12月1日『産経新聞』)

日本維新の会の新代表に選出された吉村洋文氏。臨時党大会で投票前に演説し、支持を訴えた=1日午後、大阪市北区(恵守乾撮影)
日本維新の会は1日、大阪市内で開いた臨時党大会で代表選の投開票を行い、馬場伸幸代表の後任となる新代表に共同代表の吉村洋文大阪府知事(49)を選出した。国会議員ではない首長の代表就任は、党創設者の松井一郎氏以来。吉村氏は来夏の参院選などを通じて党勢回復に道筋をつけるだけでなく、少数与党の国会で、国民民主党に奪われた感のある「改革政党」としての存在感を示す手腕が問われる。

吉村氏は、代表選の投開票に先立つ候補者演説で「日本維新の会がなぜ存在するのか、もう一度軸を持つべき時期だ」と強調。社会保障改革や高校授業料無償化を国政で推進する考えを示し、「維新は次世代のためにある。新しい政党として永田町文化をぶっ壊す。飲み食い政治と決別する」と訴えた。

代表選にはほかに金村龍那衆院議員(45)=比例南関東空本誠喜衆院議員(60)=広島4区松沢成文参院議員(66)=神奈川選挙区-の3氏が立候補していた。

特別党員(現職議員と首長)846人と、2年以上党費を納めた一般党員2万5025人に等しく1票が与えられ、有効投票数1万740票のうち、吉村氏は約8割にあたる8547票を獲得した。金村氏は635票、空本氏は492票、松沢氏は1066票だった。

日本維新の会の臨時党大会前に言葉を交わす(左から)馬場伸幸氏と吉村洋文氏=1日午後、大阪市北区(恵守乾撮影)
代表選で吉村氏は今後の選挙戦略について、大阪での実績を踏まえ「首長重視」を打ち出した。全国一様に候補者を擁立するのではなく、国会議員らを誕生させる「戦略的地域」を定めて「集中的に力を入れて対決する」とし、馬場氏が進めた全国での党勢拡大路線を修正する考えを示した。

吉村氏は平成23年地域政党大阪維新の会」の公認を得て大阪市議選で初当選。衆院議員1期目で大阪市長に転身し、31年から大阪府知事を務める。現在2期目。