税金の使い道が厳しくチェックされる昨今にあって、いまなお菊のカーテンに閉ざされているのが「皇室費」だ。皇族の仕事、そして生活には、どれほどのお金がかかっているのか。徹底調査で明かす。
前編記事『秋篠宮ご夫妻のホテル代2000万円、御料牧場の羊代1000万円、皇居の電気代7億円…! 宮内庁内部資料でわかった皇族の「財政事情』からの続きです。
悠仁さまの教育費は?
さらに資料には、儀式の際の食事代についても記載がある。
毎年1月1日の「新年祝賀の儀」は、総理大臣や最高裁判事などを宮殿に招いて行われるが、今年の「新年祝宴料理の製造」の費用は946万円。今年2月23日の天皇誕生日の際は、「祝宴料理及び祝宴箱詰料理の製造」として、389万円の支出があった。 これらに加え、宮殿や陵墓、桂離宮、正倉院などの管理にも宮廷費が充てられており、もろもろの総額が95億円にのぼるというわけだ。
続いて、皇族のプライベートマネーである内廷費と皇族費について。 前述のとおり、内廷皇族には3億2400万円の内廷費が支払われている。所得税や住民税は課されず、社会保険や国民年金にも加入していない。そして、その使途が明かされることもない。元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司氏が言う。
「国が管理する公金ではないため、開示請求をしても詳細は出てきません。ただ、項目別の『支出の比率』については、過去の国会で明らかにされています。内廷費はおよそ3分の1が人件費。掌典長や内掌典といった宮中祭祀に従事する職員、上皇陛下の研究助手など、二十数名の天皇家の私的使用人がおり、その人たちへの給与は内廷費から支出しています」
残りの3分の2については、友人との私的な食事代や旅行代、衣服などの身の回り品の購入などに使われているとされる。ちなみに、愛子さまが赤十字社からもらう給与は個人の収入となり、所得税や住民税も納めなければならない。
一方、各宮家への皇族費は総額で2億6372万円。その内訳は、内廷費と同様の比率になっているとされる。
「秋篠宮家には年間約1億2000万円が支払われていますが、さほど余裕はないはずです。秋篠宮さまが皇嗣になったことで皇族費は増額されましたが、同時に使用人の数も増えた。また、内廷皇族は生活費の多くを宮廷費から支払ってもらえますが、宮家の場合は光熱費なども皇族費から支払っているとされています。素養形成の一環として、将来の天皇である悠仁さまの教育費は宮廷費から支払うことができますが、秋篠宮家ではこれも皇族費を充てていると言われています」(宮内庁関係者)
皇族の医療費はどこから?
皇族の医療費は、かつては内廷費および皇族費でやりくりしていたという。だが近年は、その線引きは変更された。
「ヒゲの殿下の愛称で親しまれた寛仁親王は'12年に66歳でお亡くなりになりましたが、生前は何度もガンの手術を受けられていました。高額な手術費用を皇族費では賄えず、寛仁さまは当時の宮内庁長官に『このままでは破産する』と訴えたそうです。以来、皇族の医療費は宮廷費で支払われています」(同前) 「インフリキシマブ」を含め、皇族の医療費について宮内庁に取材すると、次のように回答した。
「皇室の方々が宮内庁病院で診療をお受けになる際の費用及び治療の目的で服用する医薬品の費用については、宮廷費から支出します。なお、宮内庁病院で対応することが難しいため、他の病院で診療を受けられる場合にも宮廷費から支出します」 宮廷費、内廷費、皇族費の総額は100億円超。莫大な額だが、ブラックボックス化している部分は多く、詳細は判然としない。「皇室経済」の在り方について、元毎日新聞皇室担当記者で成城大学教授の森暢平氏が語る。
「かつては国会でも皇室費が議論の対象になっていましたが、近年はまったくなくなっています。政治の世界から独立性・自律性を保ち、皇室を守るという意図なのかも知れませんが、それが逆に宮内庁や皇室への不信を招いている。予算の使い道を適正に公表・説明することが、今後の皇室のために必要だと思います」
折しも、政府では「女性宮家創設」をめぐる皇室制度改革の議論が進められている。「皇室の財布」の運用方法についても、見直してみる必要があるのかもしれない。
「週刊現代」2024年5月18・25日合併号より
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