フリーアナウンサー有働由美子(54)は15日夜に放送された日本テレビ系の報道番組「news zero」で同日に自民党が公表した、政治資金収支報告書への不記載が確認された議員計91人への聞き取り調査の内容について苦言を口にした。

 調査報告書では、聞き取り対象となった議員の名前は公開されたが、キックバックされた還付金のさまざまな使い道について誰が使ったものなのか金額のほか、数多く掲載された反省のコメントの発言主は記されず匿名とされた。野党は「お手盛り」(立憲民主党泉健太代表)と批判し再調査を求める声も出ている。

 有働は「聞き取った議員らの名前や発言が記されているが、どの議員が何を語ったのか示されていない」と、苦言交じりに指摘。同局の小栗泉・解説委員長が、報告書公表に当たって自民党が記者会見を開かなかったことや、党内で「調査を始める段階で実名より匿名の方が話しやすいだろうとなった」「全部公開すれば自民党が組織としてギクシャクして、組織としてプラスにならないと判断した」などの証言があったと解説すると、有働は「本音かもしれないんですけれど、政治家なんだからおかしいと思ったら声を上げるのが政治家じゃないの?と思ってしまう」と指摘した。

 記載された匿名コメントには「派閥から記載しなくていいと言われたので『裏金』みたいなものではないかと思い、全額残した。(略)細田氏に返すと言ったし、安倍氏にもおかしいと言った。他の議員も言っていた」「派閥から指示されると、そこから外れたことはできない」など、議員側の「苦悩」を示すような記載もあった。それでも有働は「おかしいと思ったら、それを国民にちゃんと伝えるのが政治家の最低限の仕事じゃないですか」と述べた上で「今からでも間に合います。この後の政倫審(政治倫理審査会)、国会の場で意地をみせてほしい」と、「裏金議員」の国会での積極的な発信の必要性を訴えた。