天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが、9日に「デビュー」した、皇居・宮殿での昼食会(午餐)。愛子さまが食事を伴う公式行事に出席されるのは初めてで、招かれたケニアの大統領夫妻らにスワヒリ語であいさつし、ケニアの大臣とはほぼ通訳を交えずに英語で会話した。あたたかな雰囲気に包まれた昼食会となったが、あくまでおもてなしの場。宮中に長く勤めた人物によれば、宮中での食事会は皇室の方々にとって、気配りと努力の連続であるという。
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「ハバリ(ごきげんよう)」 午餐の席上、両陛下から紹介された愛子さまは、隣に座ったケニアの投資貿易産業大臣らに向かって笑顔を向け、スワヒリ語であいさつ。その後は英語で会話を続けたという。
初々しい愛子さまのデビューは、両陛下と愛子さまがご一家そろってのアットホームな場となった。
今回は、愛子さまが通訳を交えずに接遇したことにも注目が集まった。 宮内庁で儀式を統括する式部職を長く経験した人物は、こう話す。
「もちろん晩餐会や午餐といった接遇の前に天皇、皇后両陛下や陪席される皇族方は、大使などを通じて相手国に関する知識や社会情勢について学ばれます。賓客に気持ちよく過ごしていただけるように、話題を準備なさることも接遇では大切です」
晩餐会や午餐といった場で、通訳者は出席者のうしろに椅子を置いて待機する。天皇陛下と元首や賓客との会見では、公式の面談ということもあって通訳を交えることも多い。一方で、晩餐会や午餐に陪席する皇族方は、英語の場合は通訳がいないことも珍しくないという。 「通訳を交えると時間がかかる分、会話を交わせる時間が半分になってしまいます。そのため通訳を交えず接遇なさることもあり、お客様も喜ばれています」
愛子さまの席は、ケニアの大統領と投資貿易産業大臣の間。ルト大統領からは「ぜひケニアに来てください」と言葉をかけられるなど、心和む空気が続いたようだ。 「いまの両陛下は留学を経験なさって英語が堪能でおられますし、愛子さまも熱心に語学を学ばれているとのことですから、素晴らしいおもてなしになったのではないでしょうか」
■料理を素早く召し上がる理由
晩餐会や午餐に出席する天皇陛下や皇族方は、会話以外にも注意を向けるべきものがあるという。たとえば食事もそのひとつ。
元外交官のひとりは、晩餐会に出席した皇太子時代の陛下についてこう振り返る。
「優雅でありながらも、料理を素早く召し上がる皇太子さまのご様子が印象的でした。というのもこうした場では、料理を口に運び、つぎに会話――といった風に食事と会話を目まぐるしく繰り返します。皇太子さまのお食事が手早かったのは、両隣の席の方とどのタイミングでも会話ができるように気を配っておられるのだと感じました」
ケニアの大統領夫妻を招いた今回の午餐では、西洋料理のコースが提供された。テーブルには江戸切子のグラスが用意され、アルコールが飲めない大統領に配慮して、りんごジュースで乾杯が行われた。両陛下や愛子さまには、日本酒やワインが用意された。
■ゲストより早すぎず遅すぎず
こうした場では、食事のペースも重要だ。特に両陛下が主催する食事会では、メインゲストとその配偶者の食事のペースが大切になる。接遇する皇室側は、ゲストより早過ぎないよう、また遅くならないよう気を配る必要があるという。
前出の式部職を経験した人物も、賓客を接遇する天皇陛下や皇族方についてこう話す。
「お客さまに楽しんでいただけるような会話をなさると同時に、お客さまのペースに合わせて召し上がる。さらに、日本側の陪席者の様子にも気を配られる必要がありますから、大変なことだと思います」
愛子さまの午餐デビューは、通訳なしでの英語での会話や、天皇ご一家での「おもてなし」に注目が集まった。しかし、ゲストやスタッフの様子に気を配りながらの接遇など、外からは見えない努力がそこにはあるようだ。春からは就職と公務の両立に忙しくなる愛子さま。どうか負担のない形で、春風のような愛子さまの笑顔を見せてほしい。
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