旧優生保護法の国賠訴訟、5月29日に最高裁弁論 夏にも判決、統一判断へ(2024年2月14日『東京新聞』)

 旧優生保護法(1948~96年)下で障害などを理由に不妊手術を強制されたのは憲法違反だとして、全国の被害者らが国に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は14日、上告を受理した5件について、双方の意見を聴く弁論を5月29日に開くと決めた。一連の訴訟で初となる最高裁判決を今夏にも言い渡す見通し。
 旧法の違憲性や、不法行為から20年が経過すると賠償請求権が消滅する「除斥期間」適用などを巡り、統一判断を示すとみられる。
 全国12地裁・支部に起こされた同種訴訟のうち、大法廷の審理対象の原告は東京、大阪、神戸、仙台、札幌の各地裁に提訴した60~90代の被害者ら12人。いずれも高裁判決は旧法の違憲性を認め、東京高裁など4件は除斥期間適用を認めず国に賠償を命じたが、仙台高裁では適用して訴えを退け、結論が分かれている。
 原告や支援者に障害者がおり、原告側は弁論時の手話通訳配置など配慮を求め、最高裁が今後対応を検討する。(太田理英子)