松本人志(60)らの性加害問題が続く中、お笑いジャーナリストとして活動する元NHK職員たかまつなな(30)らが法整備を訴えてこのほど開いた記者会見。日本版「#MeToo」運動の流れができつつあるとともに、芸能界の裏でのタレントたちの行状が浮き彫りになっている。
筆頭は松本所属の吉本興業だ。「キングコング」梶原雄太(43)は松本らの好みの女性を探して、後輩芸人がナンパに走る「上納システム」が「実際にある、そりゃあるよ。嘘ついてもしゃあない」などとしたが、さらに吉本内の動きをネット番組でこう語った。
「今回の件は面白いよ。今までこういう話になると、吉本って、けっこう止めてこなかった? あんまり、あの話やめてくださいとか」
相方の西野亮廣は同調し「完全NG、しゃべらないでくださいってやってしまったら、今はもうそれすら漏れるから。その方がダメージでかいからじゃないですか」と持論を展開していた。民放関係者もこう言う。
「ナンパした女性に性行為をしようとしたが、断られたら冷凍肉を投げつけたとか、フジのトークバラエティー『人志松本のすべらない話』などで、吉本タレントはネタとして面白おかしく語ってきた。ライブのチケットを売るノルマもあって、女性に声をかけたり、先輩のためにアテンドするのにはじまり、性行為中に先輩と入れ替わる話とか、組織ぐるみで性加害まがいのことが行われてきたのですからね」
たかまつは会見でこう言った。 「高校生の頃、お笑い芸人になった私は、芸能界にある性加害に驚きました。キャスティング権をちらつかせながら性加害を繰り返している。楽屋や打ち上げで女性の先輩が胸を揉まれている光景を何度も見ました。私も、お笑いライブ出演前にお弁当を食べている時にお尻を触られ続けました」
しかし「言ったら面倒なやつだと思われ」、結果的にタレント活動の道も閉ざされることを恐れた。他の人の被害も見て見ぬふりをしてしまったとの後悔があるとした。たかまつを知る業界関係者は「かつての彼女とは別人のよう。活動家に転じさせるほどの酷い経験をしたのでしょうね」と印象を語った。
「#芸能人を守る法律を作ろう」署名続々
実際、そうした心身への傷は時間がたてば癒えるものでもない。元女優の若林志穂さんはSNSでこう訴え続けている。
《あるミュージシャンから薬物を持ってこられて監禁されてレイプされて暴力を振るわれた》《Nさん、早く捕まって下さい。警察の方々早くNさんを捕まえて下さい。正直、怖いです》
たかまつらによる「#芸能人を守る法律を作ろう」は署名サイトで、昨年11月から6700人を超える署名が集まっていて、さらに被害者調査も行いつつ、専用窓口などの整備にもあたっていくとした。某芸能プロ社長はこう言う。
「約20年前、マネジメントしていた女優が性加害に遭いました。クライアントから愛人になるように言われ、断ったら、彼女は仕事を降板させられました。性加害では、民事訴訟を起こしましたが、当時は被害者本人しか告発できない親告罪。
そのためプロダクションは、タレントを傷つけられたことによる損害賠償請求するような変化球が必要でした。今は刑法改正で親告罪でなくなった上に、不同意性交等罪・不同意わいせつ罪ができた。
さらに新法などの整備によって、芸能界の浄化につなげてもらいたいですね」 ジャニー喜多川氏の連続児童性加害で、旧ジャニーズ事務所が解体したように、お笑いや音楽、映画やドラマの世界にもメスが入っていくことになりそうだ。