不同意わいせつ罪に問われた青森県職員に無罪判決「犯人と間違えられた合理的疑いが残る」 地裁八戸支部(2024年12月13日『河北新報』)

 列車内で女子高生の体を触ったとして、不同意わいせつ罪に問われた青森県八戸市多賀台、県職員村上卓司被告(48)=起訴休職中=に対し、青森地裁八戸支部は「被告が犯人と間違えられた合理的疑いが残る」として、無罪(求刑・懲役1年6月)の判決を言い渡した。判決は6日。
 村上被告は昨年12月に県内を走行する列車内で、県内に住む女子高生の体を触ったとして逮捕、起訴された。被告は逮捕時から一貫して無罪を主張していた。
 判決で久田皓士裁判官は被害者が記憶した犯人像について「成人男性の一般的特徴」と言及。「被告が犯人ではない可能性は払拭(ふっしょく)できない」と指摘した。
 弁護人の荒居憲人弁護士は「本人も安堵(あんど)している。公正な判断をしていただいた」と述べた。身柄を長期間拘束されたとして、刑事補償請求などを検討している。青森地検の中川知三次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。