兵庫県「人権のつどい」開催
12月10日は「世界人権デー」でした。1948年の12月10日、国際連合第3回総会で「世界人権宣言」が採択されたのを記念したもので、日本では、法務省の人権擁護機関が、その日を最終日とする1週間(12月4日から12月10日)を「人権週間」と定めています。
最愛の娘である元プロレスラー・花さんを亡くした木村響子さんによる講演
このコンテストは、昨年度までの「のじぎく文芸賞」と「HYOGO人権啓発動画コンテスト」を統合したもので、表彰式では動画部門最優秀作品の上映も行われました。受賞した県立伊丹北高等学校放送委員会チームRのメンバーは「30秒の短い動画の中に、自分たちの伝えたいことを収められるよう工夫した」と話し、作品ではネットの中だけでなく現実での人とのつながりも大切であることを描きました。
続いて行われたのはオカリナ奏者、さくらいりょうこさんによる「ハートフル人権ミニコンサート」。さくらいさんは、大学在学中に難病“クローン病”を発症し、克服しました。コンサートでさくらいさんは、心に響くオカリナ演奏とともに、「闘病中の弱気になっていたあの頃の自分に『生きてるで!』と伝えたい」と力強く語り、「病気や環境など、うまくいかないこともあるけれど、今生きているということが何より大事」と、メッセージを会場に届けました。
演題は「ヤサシイハナヲ サカセマショウ~みんなで考える SNSの今と未来~」。2020年、プロレスラーとして活躍していた最愛の娘である花さんを、SNSでの誹謗中傷により失った響子さん。この講演会は参加型であると説明した上で、「時代とともに、人権の問題も変化していく。いま正解を決めるのではなく、常に弱い立場の人を思いながら最善の選択をするための、“考える練習”をする場にしたい」と、一人一人が人権問題と向き合うことの大切さを訴えました。講演会は、その訴えに応えるかのように、参加者が木村さんの問いかけに対して挙手で積極的に発言する対話形式で進みました。
また、この日館内では「隣保館(りんぽかん)マルシェ」も開催され、阪神淡路大震災に関連したパネル展の他、飲食ブースや物販ブースなどが出店。多くの人でにぎわいました。
誰もが平等に持つ権利「人権」。普段の生活の中では、ゆっくりと考えるためのきっかけが少ないという人も多いかもしれません。人権週間を機に一人一人が人権について考え、向き合うことが大切ではないでしょうか。
(取材・文=洲崎春花)
令和6年度「人権のつどい」 開催要領
1 趣 旨
日本では、昭和23年(1948年)の国際連合第3回総会で「世界人権宣言」が採択された12月10日(人権デー)を最終日とする一週間を「人権週間」と定めています。
そこで、この「人権週間」の意義を顧み、県民一人ひとりが互いに尊重され、共に生きる「共生社会」の実現に向けた人権意識の普及高揚を図るとともに、本県が市町と共に展開している「人権文化をすすめる県民運動」を推進する事業として「人権のつどい」を開催します。
2 日 時
令和6年12月5日(木)13:30~16:20(13:00開場)
3 会 場
兵庫県立のじぎく会館
〒650-0003 神戸市中央区山本通4丁目22番15号
TEL 078(242)5355
4 主 催
ひょうご人権ネットワーク会議
5 後 援(予定)
6 参加者
県民、県・市町職員、教育関係者等 約350名
7 内 容
(1)日程
13:30~14:10
14:10~14:30
14:50~16:00
開会行事及び表彰式
・小林祐梨子ひょうご人権大使あいさつ
・主催者あいさつ
・「HYOGOヒューマンライツ作品コンテスト」表彰式
ハートフル人権ミニコンサート
出演者: さくらいりょうこ(Power Ocarina Player)
-休 憩-
人権講演会
演題:『ヤサシイハナ ヲ サカセマショウ』
〜みんなで考える SNSの今と未来〜
13:00~16:20 人権パネル展、北朝鮮拉致被害者救出署名コーナー
人権に関する書籍販売(兵庫県人権教育研究協議会) (3階ロビー 他)
同時開催(入場自由、申込み不要)
11:00~16:00 隣保館マルシェ 兵庫県隣保館連絡協議会
人権啓発や交流の拠点である隣保館の活動を紹介します。
パネル展、体験コーナー、特産品販売等(1階ふれあいルーム 他)
(2)オンライン
後日、当日の様子をYouTubeで配信する。