『年収の壁』『ガソリン税』実現性は…急転直下“3党合意”の背景(2024年12月12日『テレビ朝日系(ANN)』)

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『年収の壁』『ガソリン税』実現性は…急転直下“3党合意”の背景
与党は11日、国民民主党を交えた3党の幹事長会談を開き、合意書に署名しました。
■103万円の壁「178万円目指す」
合意書には、『103万円の壁には、178万円を目指して来年から引き上げる』『ガソリンの暫定税率は廃止する』とあります。いずれも、国民民主党が強く求めていた内容です。
国民民主党榛葉賀津也幹事長                           「これをのんでくれた自民・公明、それぞれの幹事長には、感謝申し上げたいと思います」
しかし、この文書、具体的な内容は書かれておらず、解釈の余地が大いに残されています。103万円の壁について、与党側の受け止めはこうです。
公明党・西田実仁幹事長                             「いきなり来年から178万円に基礎控除を引き上げるというのは、ちょっとなかなか難しい。目指していくということは、大事ではないかという。“目指す方向感”みたいなことは、私たちは強調しました」
自民党森山裕幹事長                               「来年から一発で(178万円)というのは無理。1年でやれるわけではないので、よく議論をしていただいて、また、税調でも議論をしていただくことになる」
合意したのは、あくまで“目指す”ということだけです。
国民民主党榛葉賀津也幹事長                           「まさに目指すんです。178万円ということが入っていますから、178万円を目指して頑張る。より高い水準で頑張る。やってもらう」
ガソリン税暫定税率の廃止についても、先の長い話となりそうです。
公明党・西田実仁幹事長                             「“廃止する”という方向性を示しましたが、いつ結論を出すかということは、まだここには書いていない。税制の世界で言えば、オモテの年が来年ということ」
自動車に関連する税の議論をするのは、2年に1度というのが、永田町のしきたり。今年は議論をしない“ウラの年”に当たることから、与党は、来年の検討課題としたい考えです。
税に関する議論は、通常、年末に行われるため、ガソリン価格が下がるのは、早くても再来年となる可能性があります。
さらに、財源の課題は残されたままです。
具体的な議論を行う税調のトップは、不快感をあらわにしています。
自民党・宮沢洋一税調会長                             「正直、びっくりしたことは事実。こういう話が出てくることについて言えば、釈然としない感じは、正直、言ってあります」