「核のない世界と拡大抑止の中で、いかにして日本の独立と平和を守るか。議論させてほしい」。石破茂首相は10日の衆院予算委員会で、核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加を求めた立憲民主党議員の質問に明言を避けた。
1945年8月の広島、長崎への原爆投下などを受け、日本国民には核兵器廃絶を求める強い思いがある。67年に当時の佐藤栄作首相が提唱した「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」とする「非核三原則」は日本の「国是」となった。
一方で日本は拡大抑止を重視している。日米の高官による協議は10~12日の日程で日本で開催。林芳正官房長官は記者会見で「同盟の戦略・能力に関する相互理解を向上させ、抑止力を強化するための方策について意見交換する。こうした議論を通じ、米国の拡大抑止の信頼性を維持・強化していく」と淡々と語った。
政府が2022年12月に策定した国家安保戦略は「拡大抑止の提供を含む日米同盟は安保政策の基軸」と明記。今年7月には拡大抑止に関する日米閣僚会合が初めて開かれた。