太平洋戦争のきっかけとなった真珠湾攻撃から83年。今年もハワイでは追悼式典が行われました。
7日、真珠湾を臨む公園で行われた追悼式典では、攻撃が始まった午前7時55分に黙とうが捧げられました。
攻撃を体験した元兵士らは高齢化が進んでいて、出席者は2人にとどまりました。
生存者の孫
「私たちは、過去の犠牲を未来への希望につなげていかなければなりません」
式典でスピーチした生存者の孫は、「困難に立ち向かう時、真珠湾で得た教訓は私たちを導いてくれます」と話した上で、「この価値観を先人への敬意としてだけでなく、後世に伝えていかなければなりません」などと決意を語りました。
83年前の1941年、日本時間の12月8日未明、旧日本軍はハワイの真珠湾を攻撃し、太平洋戦争が開戦しました。
式典では、真珠湾への攻撃が始まった午前7時55分にあわせて死亡したおよそ2400人に黙とうをささげました。
このあと、アメリカ太平洋艦隊のケーラー司令官が、「真珠湾攻撃から多くのことを学んだ。私たちは亡くなった偉大な世代に対し、あなた方が残してくれたものを決して忘れないと約束する」と述べ、国防を通じた平和への誓いを述べていました。
当時を体験した人が高齢化するなか、ことし4月には、沈没した戦艦アリゾナの乗組員の最後の生存者が亡くなりました。
こうした中、ことしの式典は「前進」がテーマとされ、祖父がアリゾナの乗組員だった遺族も登壇して、「アリゾナは悲劇からの前進と、人々の不屈の精神を象徴している。私たちは真珠湾の教訓を指針に、未来に向けて前進し続けるだろう」と述べ、新たな世代に語り継ぐことの大切さを強調しました。
戦艦アリゾナの乗組員で重度の火傷を負いながら生還し、2020年に97歳で亡くなったドナルド・ストラットンさんの孫、ニッキさんは、「(祖父の世代は)船や艦隊だけでなく、何よりも大切な、人類に対する信頼と、明るい未来を確保するための不屈の精神を再び構築しました」と、ドナルドさんから語りつがれた話を元に、思いを語りました。
ニッキさんは、教訓を先人への敬意だけでなく、後世の人たちへの約束として持ち続けるよう呼びかけています。
また、式典では戦艦アリゾナ最後の生存者としてこれまで平和の大切さを繰り返し訴え、2024年4月に102歳で亡くなったルー・コンターさんに、感謝の思いが伝えられました。