様々な意見が聞かれる中、移行初日となる12月2日に愛媛県内の医療機関を取材しました。
■「暗証番号いくらだったかなと僕に聞かれても」窓口では困惑する患者も…
松山市清水町の越智クリニックでは、さっそく受付でマイナ保険証で提示する患者の姿も見られました。 2日午前中に受診した患者およそ70人のうち、20人がマイナ保険証を使用したということですが、困惑している患者も多いといいます。
(越智クリニック・越智邦明院長) 「マイナンバーカードの置き具合を、どう置いたらいいかわからない。暗証番号いくらだったかなと僕に聞かれてもわからない。暗証番号覚えるのは非常に大変で…」 さらに、制度を勘違いしている患者も見られたということです。
(越智クリニック・越智邦明院長) 「特に高齢者、マイナンバーカードじゃないと受けられないんじゃないかと、保険証はしまったとか、捨てたとかいう方が実は多い」 越智院長はデジタル化自体は賛成だとした上で、マイナ保険証の使い方について周知を徹底する必要性や、当面、保険証を残すよう訴えています。
(越智クリニック・越智邦明院長) 「デジタル弱者といわれる人には今は荷が重すぎるから、いったん保険証を残しておいて、その間にいろんな講習会をするなり、誰がやっても間違いが生じないという状況になって強制化していくのが一番いい。それまでは今の保険証でいいですよ、という形にしたらどうかと個人的には思っている」 また、マイナ保険証に対応するため、医療機関は設備の導入や運用に多額の費用がかかっていて、越智院長は過疎地の医療機関などへの支援が必要だと指摘しています。
■ロック解除は増加傾向…役所窓口の混雑の一因に…
また、マイナンバーカードのロックの解除件数は増加傾向にあるようです。 松山市市民課によりますと、マイナンバーカードのロック解除件数は、去年は月あたり1000件程度だったものが、今年に入ってからは月あたり1300件程度、そして直近となる11月の1ヵ月間には1400件程度と、数が増え続けていているとのことです。