「おばあちゃんになるまで演じたい」中山美穂さんが急逝 叶わなかった“将来の夢”(2024年12月7日『女性自身』)

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12月6日、女優で歌手の中山美穂さん(54)が、東京都内の自宅で死亡しているのが見つかった。
各メディアによると、中山さんは自宅の浴槽で倒れているところを関係者により発見され、正午過ぎに搬送先の病院で死亡が確認されたという。
中山さんはこの日の夕方、大阪でクリスマスコンサートを開催する予定だった。遺書や事件性を疑わせる外傷については確認されておらず、病死の可能性があるとみて、警視庁などが亡くなった詳しい経緯を調べているという。
‘85年にTBS系連続ドラマ『毎度おさわがせします』で俳優デビューした中山さん。同年に『C』で歌手デビュー。”花の85年組”として、瞬く間にアイドルとしてのスターダムに駆け上がった。さらに、90年代には映画『Love Letter』(岩井俊二監督)やドラマ『眠れる森』(フジテレビ系)などでの演技で女優として評価を確固たるものに。また、主演ドラマの主題歌『世界中の誰よりきっと』や、『ただ泣きたくなるの』がともにミリオンヒットとなった。
私生活では、’02年に辻仁成氏と結婚し、翌年にパリ移住。結婚・出産に際し、一時芸能活動を休止していたが、’10年の主演映画「サヨナライツカ」で女優復帰を果たした。
アイドル時代から「年を重ねることは楽しいことだ」と思っていたという美穂さん。’18年、主演を務めた日韓合作映画『蝶の眠り』に際した「FRaU」のインタビューでは、年を重ねることが芝居の肥やしになると語り、自らの”憧れ”をこう語っていた。
《80歳ぐらいのおばあちゃんって、陽だまりの中で座っているだけでも、何かが見えちゃうじゃないですか。そういう豊かさが欲しいなと思います》
さらに、同年公開の映画『ママレード・ボーイ』では、主人公の高校生たちの親を演じていた中山さん。スポーツ報知らの取材で、親世代の役柄で出るのはどんな気持ちか? と問われると、《他の仕事は今からは絶対に出来ないと思ったし、やらせていただいているものだから、これからはお返ししたいなという気持ちがあって、おばあちゃんになるまで演じられたらなって思ってます》と、おばあちゃんになっても女優を続けたいと明かしていた。
“末永く女優を続けたい”という夢を抱いていた中山さんだが、”おばあちゃんになる”確固たる自信もあったようだ。’20年、50歳を迎えた際に行った本誌のインタビューでは、今後の人生についてこのように語っていた。
「私、人からいつも『絶対、誰よりも長生きする』って言われるんです。困ったものなんだけど。だから、この先もたくさん時間があるわけで、50歳になるからって、考えても仕方ないなあと思って(笑)」
デビューからこれまで、各年代で印象的な演技を残してきた中山さん。間違いなく素敵なものになるはずだった“おばあちゃん”の演技を見られなくなってしまった。その喪失はあまりにも大きい。

中山美穂さん急死 衝撃…コンサート当日中止直後に発表 自宅浴室で発見「85年組」トップアイドル54歳で(2024年12月7日『デイリースポーツ』)
 
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 イベントで笑顔を見せる中山美穂さん=2016年3月
 女優で歌手の中山美穂さんが6日、東京都内の自宅の浴室で死亡しているのが見つかった。54歳。東京都出身。警視庁渋谷署によると、中山さんが待ち合わせ場所に来なかったため事務所関係者らが自宅を訪問し、発見したという。所属事務所も公式サイトで訃報を伝えた。死因は捜査中。中山さんは6日に大阪市内でクリスマスコンサートを2公演予定していたが、体調不良を理由に急きょ中止が発表された直後に訃報が伝えられた。前日5日に自身のインスタグラムを更新しており、突然の死に日本列島は悲しみに暮れた。
 捜査関係者によると、中山さんは水が張られた浴槽内に座った状態だった。玄関は施錠されていた。事件性は低いとみられる。警視庁が詳しい状況を調べている。
 午後5時過ぎに公式サイトが更新され、所属事務所が「本日12月6日に、弊社所属のタレント中山美穂が自宅で亡くなっているのが発見されました」と報告。「突然このようなお知らせをすることになり、心苦しいばかりですが、あまりに突然の出来事で弊社も驚きと悲しみで呆然としております」とつづった。
 中山さんは1日にビルボードライブ横浜でクリスマスコンサートツアーの初日を迎えたばかり。6日もビルボードライブ大阪で午後5時半と午後8時半の2公演を予定しており、公式サイトで「中山美穂の体調不良の為、公演を中止する運びとなりました」と発表された直後に訃報が報じられた。
 5日に自身のインスタグラムを更新。都内で開催されている「ルイーズ・ブルジョワ展」の展示作品「《無題(地獄から帰ってきたところ)》」の写真を添えて、「2、3日心がえぐられて、一緒に行った友としか会話ができなかった。写真下手だけど、上手くてもなんにも表現できない」とつづった。これが最後の投稿となった。
 中山さんは、1985年にTBS系ドラマ「毎度おさわがせします」で女優デビュー。同年にシングル「『C』」でアイドル歌手デビューし、日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞した。その後も「BE-BOP-HIGHSCHOOL」「WAKUWAKUさせて」などのヒットを飛ばし、85年デビュー組を代表するトップアイドルとして「ミポリン」の愛称で親しまれた。
 92年にロックバンド・WANDSと共演したシングル「世界中の誰よりきっと」が180万枚超の大ヒットを記録。歌手としてNHK紅白歌合戦に7回出演し、女優としてもドラマ「Love Story」「眠れる森」など話題作に多数出演した。歌手・女優の二輪で輝かしいキャリアを築き、来年にデビュー40周年のメモリアルイヤーを控えていた。
 ◇中山美穂(なかやま・みほ)1970年3月1日生まれ。東京都出身。モデル活動を経て85年、ドラマ「毎度おさわがせします」でデビュー。同年、シングル「『C』」で歌手デビュー。同作で日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。94年「ただ泣きたくなるの」はミリオンセールを記録した。女優としては87年「ママはアイドル!」、89年「君の瞳に恋してる!」などヒットドラマに次々出演。映画「Love Letter」(95年)では各映画賞主演女優賞を総なめにした。

「美穂さんの全ての表情が深く目に焼き付いています」97年に中山美穂さんと共演・竹中直人が悲痛の声(2024年12月7日『スポーツ報知』)
 
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中山美穂さん(2018年5月)
 俳優の竹中直人(68)が6日、歌手・中山美穂さんが亡くなったことを受け、所属事務所を通じて追悼コメントを発表した。
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 竹中は、中山さんとの突然の別れに「信じようとしても信じられない現実に息が止まってしまいそうです」と絶句。1997年に、自身の監督作「東京日和」で共演し「美穂さんの全ての表情が深く目に焼き付いています」と悼んだ。同作で中山さんは、竹中演じる写真家の妻を好演し、第21回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した。
 竹中は、同作の撮影後に感傷に浸っていた時のことを振り返り「夜の柳川をぼくがひとりで歩いていると、後ろから足音が聞こえてきた。その音に振り向くと、そこに中山美穂さんが立っていました。たたずまいのあまりの美しさに息が止まってしまった…。本当に素晴らしい映画女優でした…。過去の言葉で言ってしまう事があまりにも苦しく、せつないです」と惜しんだ。