国民民主党は12月4日、不倫問題が報じられた玉木雄一郎代表を役職停止3カ月とする処分を決めた。玉木氏は代表辞任を否定し、来年3月3日までの役職停止期間は、古川元久代表代行が職務を担うとした。玉木氏と相手女性の関係に迫った、当時の「週刊文春 電子版」の記事を全文公開する。
(初出:「週刊文春 電子版」2024年11月15日配信。年齢、肩書は当時のまま。)
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「妻子ある身で他の女性に惹かれたことは、ひとえに私の心の弱さだと思う」
党内から批判の声が続出
「記事では、今年7月に玉木氏と小泉が香川県高松市内のホテルで一夜をともにしたことを詳報。衆院選投開票直後の10月30日には、新宿のワインバーで密会していたところを撮影されています。玉木氏は同日中に会見を開き『概ね事実』と認めて火消しを図りましたが、玉木氏に近い議員を含め党内から想像以上に批判の声があがっている。結果、党内の倫理委員会を開催して調査を行うことが決まりました」(政治部デスク)
与党過半数割れの中でキャスティングボートを握った野党代表の醜聞で、国会運営にも思わぬ影響が。
「目下、国民民主党が掲げる『年収103万円の壁』見直しについて協議中の自民党ですが、党内には反発が根強い。その中で今回のスキャンダルを受け、『玉木の言う178万円への引き上げは無理だ』と声を上げる党幹部もいます。衆院選での与党過半数割れにより、来年度予算案を成立させるまで国民民主と協力していきたい石破茂首相にとっても、思わぬブレーキとなりかねない」(同前)
石破首相は周囲にこう漏らしていたという。
「玉木さんには3月までは頑張ってもらいたいのだが……」
不倫相手の“意外な素性”
一方、報道を受けて注目が集まったのが小泉の経歴だ。
「当時はグラビアといっても、携帯電話の待ち受け画像として撮影される仕事がメインでした。社交的で人の懐に飛び込むのが上手く、年配の男性から好かれるタイプ。服装はいつもミニスカートにぴちっとした上着でした。政治に対する興味は微塵も感じなかった」
玉木氏の発言が終わると盛大に拍手を
「小泉さんは2年程前から、国会開会中の毎週木曜日に開催される衆議院の憲法審査会を傍聴していました。年配の参加者が多いこともあり、若い女性は目につきやすい。加えて、比較的露出度の高い服装に厚底の靴という出で立ちだったため、ひと際目立つ存在でした。玉木氏の発言が終わると、一人で盛大に拍手をしていました」
憲法審査会で委員を務める議員が続ける。
「憲法審査会には毎回、玉木さん目当てで傍聴に来る、改憲派の10人前後の男女の集団がいる。その中に小泉さんの姿を見かけたことがあります。多くの場合、傍聴者は議員や党の関係者を通じて申請し、傍聴券を得て参加しています。小泉さんも玉木氏を通じて傍聴席に入っていたのでしょう」
「静かにさせて!」「黙れ」!
最初は熱心に議論に耳を傾けているだけだったという小泉。だが、今年に入ってから――。
「静かにさせて!」「黙れ!」
鋭い声が度々響くようになったのだ。傍聴に参加していた人物が振り返る。
まるで“女王様”のような振る舞いを…
「玉木氏の発言に対して傍聴席からヤジが飛ぶと、小泉さんが立ちあがってその人物を指さし、衛視に注意するよう求めるようになったのです。厳しい口調に加え背が高いこともあり、その場をコントロールしているかのような、高圧的な印象を受けました」
まるで“女王様”のような振る舞いをしていた小泉。現在は削除されているが、今年5月にはSNSにこう投稿している。
〈木曜の見張りに今回は参加できず。みんなしずかにお話をきけたかな? 今日もうるさいなら更にゴリゴリの直談判するつもりだったけん、行きたかったな!〉
傍聴席で小泉と居合わせた人物が語る。
「“木曜の見張り”とは、憲法審査会で玉木氏へのヤジを牽制する行為を指している。国民民主党は憲法改正賛成の立場ですが、それに反対する護憲派の傍聴者らは咳をしただけでも小泉さんに睨まれるようになり、年配の方たちはすっかり委縮してしまっていた。彼女が傍聴席の空気を支配していました」
保守的な思想を見せることも
前出の永田町関係者によれば、委員会室に入って来た玉木氏と小泉とが、アイコンタクトを交わしているように見えたこともあったという。さらに、
「小泉さんはSNSでたびたび、保守的な思想を見せることがありました。例えば今年6月、中国籍の男性が靖国神社の石柱に落書きする事件が発生した際には、X上に〈勿論斬ってよし〉と投稿していました。玉木氏とはただの不倫相手ではなく、精神的にも寄り添う関係性だったのかもしれません」(前出の永田町関係者)
事実関係を尋ねるために小泉のグッズを販売していたオンラインショップの窓口に問い合わせたが、反応はなし。小泉が観光大使を務めていた高松市観光交流課に聞くと、「本人にもマネージャーにも連絡がつかない」と困惑した様子で語るのみだった。
玉木事務所は書面で次のように回答した。
「小泉みゆき氏との関係については、お相手にも関わることでもあり回答は控えさせていただきます。小泉氏による憲法審査会の傍聴の件が含まれていますが、こちらも小泉氏の行動に関するものであり、玉木雄一郎として回答することはありません」
信頼回復への道は果てしなく遠い。
11月11日に写真週刊誌「FLASH」電子版が報じた国民民主党代表・玉木雄一郎氏(55)の不倫愛。お相手の元グラビアアイドルの小泉みゆき(39)が国民民主党の候補者として浮上していたことが、「週刊文春」の取材で明らかになった。
不倫報道後、玉木氏はすぐさま会見を開き、「妻子ある身で他の女性に惹かれたことは、ひとえに私の心の弱さだと思う」と力なく語った。だが、取材によれば、小泉は単なる不倫相手の範疇に留まらない――。
涙を浮かべて不倫報道を謝罪した玉木氏 ©時事通信社
高松市に生まれ、上京後にグラビアアイドルやレースクイーンとして活動していた小泉が高松市の観光大使に抜擢されたのは、2019年。県内のイベントなどを通じて急接近し、2人が男女関係に発展したのは2022年頃のことだ。
党代表の不倫発覚という緊急事態だが、国民民主党のある関係者はなぜか安堵のため息をつく。
一体、どういうことなのか。別の国民民主党の関係者が明かす。
「実は、小泉さんは国民民主党の候補者のひとりだったのです。10月27日の衆院選にも出馬を模索していたものの出馬できず。そこで玉木氏は、彼女を来年の参院選に出馬させようと動いていたのです。万が一、出馬後に新人候補と党代表である玉木氏の不倫関係が発覚すれば、『公私混同だ』と厳しい批判を浴びることになったでしょう」
玉木氏の事務所に、不倫相手の小泉を公認候補として擁立するつもりだったのかと問うた。
すると、「小泉みゆき氏は政治への興味関心があったことから、玉木が個人的に国政に限らず何らかの選挙への立候補の可能性について話したことはあります」と認めた上で、「候補者公募への応募や面談など、党が正式に検討するには至っておりません」と回答した。
現在配信中の「週刊文春 電子版」では、玉木氏が小泉を選挙の候補者に据えた理由を詳報する。玉木氏が完全否定した「自殺未遂報道」の背景、小泉をサポートする玉木の関係者の存在、慰謝料の支払いなどについても記している。